登場人物のワッペン・服装・死因の考察と関連トリビア

(2021年11月7日作成 / 2024年3月12日更新:番外編に非武装の警備員など追記)
このゲームに登場するキャラクターの多くは、
服装とワッペン(英語ではパッチPatchと呼びます)からステーション内で働いていた場所と職業が推測できます。仕事だけではなく、その場所に居た理由も結構わかったりします。アーカイブログ類と照らし合わせる事で、サバイバルの過程や死亡した理由・死亡タイミングが大凡判断できるよう作られています(初期配置の消えない固定死体のみ)。全く素性を推定できない「普段着の民間人」や死因不明(病死)もいますが割合としては少数です。「略奪した服を着ているシーグソンセキュリティーの武装警備員」なんて凝ったNPCもいますし、生存状態では一切出てこない職業の死体もあります(極端に遭遇率が低いだけかも…)。このゲームに階級のわかる軍人は登場しませんが、軍属に見えるデザインの服装・記章はあります。
推理推論の根拠となるアーカイブログの番号は(log#000)の表記で可能な限り記載・追記します。傍にIDタグ(IDカード)や武器/アイテムが落ちている場合は、その死体が所有者であると仮定して考察する事とします。また、システム内に残る未使用の音声やログを根拠/出典とする場合は、参考URLや字幕ファイルのスクリーンショット等で明確にそれを示します。

時系列的に矛盾した場所や殺され方の死体も少なからず存在しています。KG348ラボをパージするM10の前に暴走アンドロイドに殺された死体は、その理由がわからないものが多いです。真っ二つにされたアンドロイドの残骸も未だ納得できる説明がありません。矛盾に見えて、実はラスト近くで判明する事実のヒントだったりする場合もあります。シナリオライターが3人いる事、発売の約1年前に行われた大きなシナリオ変更などが「説明できない死体」や「時系列の矛盾」の原因だと予想されています。なおアマンダがステーションに到着したのは2137年の12月11日で、本編プレイは全て同日(24時間以内)の出来事です(アーカイブログの日付から判断)。

シナリオの意図を読むため、名のあるキャラクターとマップに初期配置された固定死体優先で載せていきます。
2023年11月現在、重要度が高いのに抜けている人物が多数いますが、いずれ全キャラクターを網羅するつもりです。生存人物の網羅的な情報が欲しい方は、下記URLのゼノぺディア(ファンによるwiki)が大変参考になるので、そちらをご覧ください。Web翻訳で十分理解できると思います。
自分はwikiを補完する目的で始めたため、ゼノぺディアに満足できる情報があるキャラクターは後回しにしています。一般にwikiは(Wkipediaも)明確な出典がある情報以外は独自研究扱いになって切り捨てられるシステムなのと、文章主体で画像が自由に載せられない制約があり、分類できない事象や状況も特別な理由がない限り単独で取り上げられません(Xenopediaではトリビア欄で一部フォロー)。どんなに印象深くて不可解でも、名前のないNPCや職業の項目が作られないwikiの欠点をこのページが補います。

また本作品は映画的な表現として、映像に強烈なカラーグレーディングが施されている(多くの場合、青い色が被ってる)ため、モニタ上で顔や服装の色合いが自然に見るように色温度と明度を補正しています。実際のプレイ画面と色味が異なる場合があることをご承知おき下さい。

原作にあたる映画ALIEN(エイリアン 1979年)およびALIENS(エイリアン2 1986年)のオリジナル原語は英語で、物語も米国籍の宇宙船/ステーション/植民地内での出来事です。いずれの映画も本作品もほぼ英国で撮影・製作されました。よって特別な理由がない限り、映画/ゲーム共に英語版をオリジナル言語として考察する事にします。Creative Assemblyは英国の会社なので、ゲームシステム内部の説明書きも英国式英語となっていました。

Alien Isolation characters エイリアン アイソレーションの登場キャラクター Xenopedia
https://avp.fandom.com/wiki/Category:Alien:_Isolation_characters
↑宇宙ステーションの住人各人に関する情報は、ゼノペディアのこちら一覧が探しやすいです。
Alien Isolation archive logs アーカイブ ログ Xenopedia
https://avp.fandom.com/wiki/Alien:_Isolation_archive_logs
↑音声含めたアーカイブログの内容はこちらのページに一覧として纏まっています。

Alien/ Isolation deleted scenes | Xenopedia
https://avp.fandom.com/wiki/Alien:_Isolation_deleted_scenes
↑当ページで度々言及する、「改変前のストーリー」やマップ、スクリプトに関する解説です。
Alien/ Isolation cut content | Xenopedia(おすすめ)
https://avp.fandom.com/wiki/Alien:_Isolation_cut_content
↑コンセプトアートや未使用オブジェクト等、製品版でカットされたコンテンツや画像のまとめです。
Alien/ Isolation deleted scenes — transcript | Xenopedia
https://avp.fandom.com/wiki/Alien:_Isolation_deleted_scenes_—_transcript
↑「改変前のストーリー」のセリフ字幕一覧です。



Weyland-Yutani Employee(ウェイランド-ユタニ 社員)
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クリストファー・サミュエルズ、ニーナ・テイラーのワッペン(patch)です。本作中でこの腕章をつけているのは二人のみ。宇宙飛行士的な雰囲気もありますが、パイロット向けのデザインではなく、社章も含まれているのでウェイランド-ユタニ本社宇宙開発事業のミッション・航海士・上級職員・正社員を表す記章(徽章)だと思われます。

現実の宇宙飛行士の話になりますが、コロンビア号の事故以降は科学実験をする(操縦や船外活動に関与しない)技術者であっても、宇宙遊泳や操縦補助の訓練が必須となりました。現在は役職に関わらず搭乗者全員が「ミッションスペシャリスト=搭乗運用技術者」の資格を持っています。同様に地球軌道外・恒星間飛行で勤務するウェイランド-ユタニ社員は宇宙飛行士(宇宙航海士)の資格が必須だとしても不自然ではありません。
物語冒頭で二人は当たり前に宇宙遊泳(船外活動=EVA)をしていましたが、テイラーは Oh fuck! hating this(これは苦手)と悪態はついたものの、初めての経験というニュアンスの発言はありませんでした。また、宇宙服にも各々の名前とウェイランドのロゴが入っていました。現実の宇宙服は着る人の体型に合わせて製作するものですし、命に関わる装備品なので持ち込みだったのでしょう。(画像クリックで拡大)
space_suit_samuels_taylorbackpack_thum
このワッペンに飛行士的な意匠が含まれるのも「(操縦に関わる乗組員ではないが)宇宙で働く資格を持っているWY本社の職員用ワッペン」だと解釈すれば納得できます。
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上はミッション2冒頭で脱いだアマンダの宇宙服。名前の部分がXXXとなっています。(画像クリックで拡大)
ムービーシーンではREPLEY表記がありましたが…
3NPXxYt

なお現実の宇宙飛行士や宇宙開発事業/ミッションの記章も(国は違えど)軌跡のある流れ星や真っ直ぐ上昇する星/ロケットを含んだデザインが多いです。下の方に挙げた「14 04 ★」のワッペンもそうですね。
二人がつけているパッチは古いエイムズ・リサーチセンターのワッペンに色形が似ています。
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Christopher Samuels クリストファー・サミュエルズ | Xenopedia ゼノペディア
https://avp.fandom.com/wiki/Christopher_Samuels 日本語に翻訳

本作のワーキングジョーは原作のアッシュと同じジョギング(running)体操をするファンサービス?が知られていますが、サミュエルズも同様の動きをする事をご存知でしょうか?(下のGIF画像)

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サミュエルズが体操する姿は、ミッション5の開始後に連絡シャトル(transit)を降りないで暫く放置していると見られます。必要な放置時間は数分でしょうか。体操を始める直前、「誰も見てないよな?」と確認するように辺りを見回す仕草も可愛らしいので、辛抱強く目を離さないように待ちましょう。体操中でもアマンダが近づくと直ぐに動きを止めて通常の会話が始まります。
映画のアッシュがジョギングをしていた理由について、原作映画のリドリー・スコット監督は(動きが鈍くなった)関節を暖める為という旨の説明をしていました。


ニーナ・テイラー(Nina Taylor)のワッペンはサミュエルズと同じ組み合わせです。(下の画像はクリックで拡大)
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彼女は法律家なので法務部の一職員かと思っていましたが、原語の自己紹介から判断すると更に上の職位のようです。名乗る時の役職は Executive Administrator で、直訳するなら上級理事や幹部管理職あたりになりそうですが、PS4/Xbox日本語版では「総務部長」となっています(音声 log#034 他)。ランサムがスペディングに宛てた log#121ではステーション買収の一件を知らない low level execs(PS4:末端幹部)呼ばわりされていました。 
ちなみにテイラーに関するアーカイブログ類は本編の他にDLC(サバイバーモード)「危険な届け物」にも存在します。これは本編の log#034 最後の「私信を送ります」と繋がる内容です。

Nina Taylor ニーナ・テイラー | Xenopedia ゼノペディア
https://avp.fandom.com/wiki/Nina_Taylor日本語に翻訳
テイラーの3Dモデル/声優は英国の女優エメラルド・オハンラハン(
Emerald O'Hanrahan)。
m10_Taylor_02_thum
テイラーは上下一体型の専用コスチュームで左胸に名札も縫い付けられています。(上の画像はクリックで拡大)
ブーツもヒールの高いテイラー専用のモデルです。
M8_Taylor_boots_thum
テイラーの宇宙服にも名札が付いているので、専用品だとわかります。(下画像左右ともクリックで拡大)
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下の左画像はM8交通管理室で連絡シャトル(transit)を復旧させる前のツーショット。
M8_Transit_Station_SamTaylor_01_thum
なお、トレンス号の乗組員2人は胸にWYの略章のみつけています。

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USCSS TORRENS(米国船籍 宇宙貨物船トレンス号と船員)
下は画像はミッション17。窓から見えるトレンス号と船体にペイントされたマーク。(画像クリックで拡大)
m17_torrens_ship_badge_thum
船員のパッチと戦隊のロゴは別とっています。
映画エイリアンに登場する宇宙船の船名は英国の小説家ジョセフ・コンラッドの作品から取られる事が慣例となっていますが、トレンス号(トーレンス/Torrens)は彼が執筆活動の前に一等航海士として乗船していた帆船の名前らしいです。
https://en.m.wikipedia.org/w/index.php?title=Torrens_%28clipper_ship%29

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主人公 アマンダ・リプリー ( Amanda Ripley-McClaren ) の無記名ワッペン
amanda_patch01
アマンダは無記名で星入りの丸いワッペンとウェイランド-ユタニの社章(略章)をつけています。彼女はエンジニアなのですが、つなぎの襟と袖の裏地がムートンなので本式の飛行服に見えます(ただの作業着ではなく)。パッチも宇宙航海士的なマークです。母親を探すためこの宙域を選んで技術職員として働いているらしい(Samuels談)ので、おそらくその地域の求人で雇用された契約社員でしょう。WYの社章も着古した私服に後から付けているように見えます。彼女のライフスタイルが想像可能な、妥当性のあるコスチュームの細やかな作り込みは大したものです。ある意味映画以上。
3nFLDWw 3NTVUcx NECA_Amanda_Jumpsuit_01
ちなみにネカ(NECA)のAlien Isolation公認フィギュアの説明はジャンプスーツです。Jumpsuit は本来、落下傘部隊の飛行服を意味しますが、英語圏ではつなぎ型の婦人服や作業服の一般名詞になっています。

M1_Cutscene_Amanda_FrontW_thum M1_Cutscene_Amanda_SideW_thum

Amanda Ripley-McClaren | Xenopedia | Fandom
https://avp.fandom.com/wiki/Amanda_Ripley-McClaren日本語に翻訳

アイテムをクラフトするゲームシステムの都合で安易にエンジニア属性を与え、女版
アイザック・クラークに仕立て上げたとして賛否あったようですが、キャラクターデザインは十分説得力があると思います。ただ、映画ALIEN/ALIENSを知らない若いプレイヤー視点で考えると、アマンダへの共感や感情移入のための導入が短すぎ(全体を通しても説明不足)だとも思います。それが映画エイリアン大好き人間以外にこのゲームを薦めにくい理由のひとつです。「アマンダ・リプリー - マクラーレン」の名前が登場するのは映画ALIENS(エイリアン2)の完全版と小説版だけなので、初耳の人も多いはず。
もしリメイク・リマスター版を出すなら、行方不明の母を想うアマンダの独白シーンや、母エレンとの関係が解る回想ムービーを入れても良いでしょう。原作映画を知らない世代が増える事を考えれば、「説明しすぎ」くらいで問題ないと思います。

このワッペンをつけたNPCは性別服装問わず見られます。
m4_officer_female01
上はランダムに出現する略奪者の一人なので、固定死体ではありません。名もない市民ですが、アマンダと同じワッペンをしています。また空軍パイロットを連想させる星入りで翼型の胸章をつけています。この丸いワッペンは所属ではなく、何かの公的な資格を表すものだと推測しています。
システム内部での名称は「Amanda Ripley uniform patch」のようです。

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WATATSUMI EFFICIENT MACHINE SOLUTIONS (Axel Fielding のジャケットロゴ)
Axel_Watatsumi_mark_thum Axel_Watatsumi_logo_thum
アクセルの着ているジャケットの WATATSUMI(ワタツミ)ロゴとWマークも徽章ワッペンと同等に扱って良いでしょう。作中では広告や書類にも見られます。下部のスローガン「Efficient Machine Solutions」を訳すなら、効率的な機械をお届けする/機械の効率化を提案する〜みたいな感じでしょうか。原作や他のALIEN作品には登場しないAlien Isolationオリジナルのようです。

Smaller Companies & Entities | Xenopedia | Fandom
https://avp.fandom.com/wiki/Smaller_Companies_%26_Entities#Watatsumi
WATATSUMI の本社国籍は不明ですが、日本人なら語感から日系企業だと察するでしょう。「わたつみ」と読むと綿摘みを連想しますが、この場合の元ネタは海神の古語であるワタツミのほうだと思います。頻繁にレバー操作を求められる発電機 2000-KJVS やステーション内に点在するフォークリフト( FLT-3500 PowerLift )にもWATATSUMIのマークが入っていました。(下画像はクリックで拡大)
Watatsumi_2000-KJVS_inpanel_thum Watatsumi_2000-KJVS_portable_thum M14_Watatsumi_Powerlift_thum
気付きにくいのですが、ボルトガンの弾(BOLT GUN AMMO)として使われる Expanding Bolt もWATATSUMI製です(本来の用途は建設で使うアンカーボルト。expansion anchorとも呼び、コンクリートや建材に下穴を開けて打ち込むと、径が広がって固定される仕組み)。M14冒頭で訪れるチーフ・ポーターの部屋の机に上には、ボルトガン本体と共に弾丸とロゴ入り書類も置かれていました(下画像左)。画像はいずれもクリックで拡大。
Watatsumi_BoltGun_Ammo_thum M10_Watatsumi_Calender_thum
また、ボルトガン本体にもワタツミ製 DV-303 Catalytic Resonator =触媒共振器?が利用されていたようです(下画像右)。
M14_BoltGum_getcene_thum Watatsumi_CatalyticResonator_poster_thum
WATATSUMI のロゴの形から、ウェイランド-ユタニの息がかかった企業の可能性を指摘している人もいます。

Axel Fielding アクセル・フィールディング | Xenopedia ゼノペディア
https://avp.fandom.com/wiki/Axel_Fielding日本語に翻訳

Watatsumiの製品分野はSeegsonと競合しないらしく、同社の機器はステーションの各システムに組み込まれていました。アクセルはそれらワタツミ製機械の保守整備の為に常駐していたサービス・エンジニアだと予想されています。(下画像はクリックで拡大)
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アクセルは首に2枚組のドッグタグを掛けているので元軍人という設定のようです。
今思えば略奪者相手のスニーキングも素人の動きではありませんでした。下の画像は略奪者2人を物陰に隠れてやり過ごすアクセルの背中とダクト(Vent)に入る姿ですが、このシーンは「こっちに隠れろ!伏せろ!やり過ごすんだ!」という明確な指示と、強制的に30秒程度待たされる長めの待機時間があります。地味で冗長なイベントに思えますが、プレイヤーにステルスの基本や「時には数十秒間、じっと動かずに身を潜める必要がある」という忍耐を学ばせる目的があったのでしょう。
M2_Axel_SneakBack_thum M2_Axel_EnteringVent_thum
本作はスタート時の操作チュートリアルが一切ない(小さいダイヤログが1回表示されるだけの)不親切なゲームですが、アクセルの後ろ姿を通してステルス進行の基本を自然と学べるように配慮されていました。しゃがみ歩きや物陰に隠れるテクニック等、彼はスニークのお手本を目の前で見せる役目を担っていたのです(…が、多くの人がその手本に気付かず、M3以降をゴリ押しで進んで苦労していたようです)。略奪者の手前でフラッシュライトを点灯しているとダクト内でも「見つかるから消せ」と指導されます(強制的に消されます)。通路の曲がり角や広い空間に出る前は、通路の真ん中を歩かず、端に立ち止まって先の様子を窺ってから進む(下画像中央)という立ち回りも少々大げさに行っていました。
M2_Axel_sneak_crouch_thum M2_Axel_sneak_StandBack_thum スクリーンショット 2023-05-25 13.21.37
本格的な戦闘が始まる前のM2は、アクセルと共にステーションの様々な民間人と接触するイベントが立て続けに起こります。それらは全て「敵対する/しない」の判断や「誘導する/逃げる/隠れる/戦う」の基本的な行動選択を段階的に身につけさせる為のトレーニングだったのです。選択を誤っても行き詰まらないように、M2のセーブポイントはリトライが容易な場所に置かれていました。
実はゲームシステム内には
チュートリアルの残滓が存在するのですが、極初期に放棄された事が窺える内容でした。手取り足取りの対話型操作チュートリアルは世界観を損なうので削除して正解だったと思います。

彼は左腕にペイズリー柄のバンダナを巻いていて、足にホルスターをつけています。西部劇のガンマンのような装いです。
M2_Axel_Bandana_thum M2_Axel_bottom_thum
.357 リボルバーをレッグホルスター(Thigh holsters)に入れて携帯していたのもアクセルだけでした。
ホルスターは純正品らしく、側面に製造メーカー Spearhead Armoury の型押しが入っています。スピアヘッドは槍の穂先(刃)、アーモリーは武器/兵器の製造所ですね。架空の銃器メーカーで、Alien Isolationオリジナルのようです。(下画像はクリックで拡大)
M2_Axel_revolver_holster_thum
リボルバーはアクセル専用品ではありませんが、彼は印象深い使い手なので、この機会に詳しく見てみましょう。

.357 Revolver リボルバー Xenopedia | Fandom
https://avp.fandom.com/wiki/.357_Revolver日本語に翻訳
.357 Revolver リボルバー Alien Anthology Wiki | Fandom
https://alienanthology.fandom.com/wiki/.357_Revolver日本語に翻訳

M2_Cutscine_Amanda_revolver_thum M2_Cutscine_Axel_revolver_bust_thum
使用する拳銃弾は架空の口径で、弾薬の箱には .357 LRの表記があります。これが.357マグナム弾なら直径の割に薬莢の全長が長く(炸薬が多い)、高い貫通力が特徴なのですが、作中の .357 LR はエイリアンに全くダメージを与えられないレベルに威力が抑えられているようでした。
357LR_Revolver_Ammo_thum
実包のメーカー名はKERCHNERで、商品名はHORNETだったようです。本来は1箱50発入りだと思われます。
威力を弱めている理由はステーションの設備に損害を与えない為だと考えられます。火薬の量を減らした弱装弾や樹脂/ゴム弾頭でしょうか。広告を見ると、弾丸は命中した際に先端が広がるように変形して貫通を防ぐ、
ホローポイント形状になっています。
Revolver_Ammo_KERCHNER_HORNET_poster_thum Revolver_Calender_up_thum Revolver_Save_up_thum
弾丸の広告やリボルバーのカレンダーも見つかりました。所持率から判断すると住人の間に広く普及していたようです。
Revolver_Front_Muzzle_thum Revolver_TechSupport_desk_thum
シリンダーは一般的な回転式拳銃と同じく、左面下へ自重でスイングアウトさせるタイプです。プレイ中の空撃ち動作を見ると、ハンマーは二重で動作はダブルアクションでした。大きく穴の空いたハンマーは内部の打撃用ハンマーを起こすためだけの部品で、雷管を叩く実質的なハンマーは下側に見える小さい方(大部分がフレーム内部に隠れている)だと思います。
M10_Amanda_revolver_thum
本作品に登場するハンドガンはこの一種類のみです。バレル(銃身=筒)がシリンダー(弾倉)の下側=引き金のすぐ上を通るデザインなので、一般的な回転式拳銃と比較して発射の際の銃口の跳ね上がりが少ないようです。同様の拳銃はイタリアのMATEBA 2006Mが有名ですが、デザイン的には同設計者によるキアッパ(チアッパ)ライノ60DSの方が近いように見えます。
https://en.wikipedia.org/wiki/Chiappa_Rhino
https://www.chiappafirearms.com/family.php?id=53
3W80hTb 3W7W0PI Chiappa_Rhino_357_6inch
ライノ・リボルバーはジョーカーの恋人、ハーレイ・クインの愛銃としても知られています。

下の画像はアクセルのDogTagの印字です。拡大したところ、血液型はO型で海兵隊上がりだと判明。
M2_Axel_DogTag_thum
現実の認識票の刻印内容は色々な組合せがあるようです。彼の物は上から名前-個人番号-血液型-所属部隊の順でしょうか。
・AXEL:アクセル
・136-43-6798:個人番号?社会保障番号? 誕生日ではないと思います。 
・O POS:血液型はO型 Rh+(POSはポジティブ Positive の略)
・MARINES:マリーンズなので、米国の海兵隊員だった事がわかります。

DLC Lost Contact の主人公でもあるAxelは、元軍人らしくサバイバル能力に長け、アマンダの様子を暫く観察した上で接触する等、非常に用心深く行動していました。初接触時の
カットシーンのアクセルは、銃を向けたアマンダよりも周囲の方をしきりに警戒していて、異常なほど神経質に見えます。辺りを見回しながら常に動いていた事に気付いたでしょうか?(下画像)。彼女が独りで、賊のポイントマン(斥候)でもスパイでもないと分かると即警戒を解きます。本職の人間による演技指導かは不明ですが、ドッグタグと合わせて明らかに軍人を示唆する行動でした。
M2_Cutscene_Axel_walk02_thum M2_Cutscene_Axel_walk01_thum
下はアマンダの後頭部に銃を突きつけて Stay still. turn around. (動くな、こっち向け)と言った直後のアクセルの表情ですが、視線は上階にあるガラス張りのImmigration Office(入国管理局)の方を向いています。遮蔽物のない開けた場所で扉を解錠している斥候をホールドアップするという状況は、戦場なら格好の狙撃タイミングなので、彼は周囲を警戒しつつ常に動いました。これが元警察官ならアマンダが他に武器を隠し持っている可能性を考えるため、彼女から一切目を離すことはないでしょう。開けた場所で身を晒す事や立ち止まった際の狙撃を恐れるのは軍隊経験者特有のものです。もし「人殺し(Killer)」を恐れていたのなら、アマンダが仲間になった後も周囲への警戒を緩める事はなかったはず。
M2_Axel_Amanda_Holdup_thum
ホールドアップ後の最初の質問が「Where'd you come from (どこから来た?)」だった事から、アマンダがステーション住人ではなく外部からの侵入者である事は分かっていたようです。彼女の話を疑う事なく信じた理由も、尾行途中にトレンス号の姿を見ていたからでしょう。アクセルがターミナルにいた理由も、ドック周辺の爆発の原因を調べるためだったと思われます。自分がアクセルの立場なら、直前の爆発がトレンス号からの攻撃で、アマンダが乗り込んで来た海賊の一員である可能性を第一に考えます。

彼は誰も信用せず心許さず、他人と関係を絶ち、物資を収集・備蓄しながら救援が来るまで隠れ家に独り潜伏し続けるつもりだったようです(12月8日 log#137 PS4:アクセルの日記340 等)。宇宙船のドックに近いターミナルに拠点を構えたのもちゃんと理由がありました。
M2_Axel_Saferoom_Bed_thum
上はアクセルの隠れ家と寝床のようす(クリックで拡大)。さらに広角の高解像度画像はこちらから
彼がステーションの変化を観察して音声日記(Axel’s journal )を残していたのは、日付の感覚が薄くなる閉鎖環境で精神の安定を図るためでしょうか。日記の通し番号が300を超えているので、騒動前から仕事の日報として付けていた続きかもしれません。日本語版ではアクセルの日記と訳されていますが、原語は journal なので日誌や記録的なニュアンスでしょう。また、ゲームシステム内には
本編で未使用の日記が複数残っています
M2_Axel_saferoom_enter_thum M2_Axel_saferoom_Bed_thum
M2_Axel_Saferoom_Back_thum
本編で聴けるアクセルの日記は340のみ。未使用の日記の番号は331と333で、僅かに文言の異なる2種類のバージョンが収録されています。また、340にも本編と微妙に異なる別バージョンがありました。それぞれアナログ的な音質のテープ音声とアーカイブログ用の明瞭な音声も含まれるので、未使用日記音声ファイルは10個です。違いは猥語(Pussy等)やFワードの有無だけのようでした。これは販売国の法令に適合させるための予備的な音声だと推測しています。

アクセルの日記 331 その1 /Axel’s journal Entry331 TypeA


アクセルの日記 331 その2 /Axel’s journal Entry331 TypeB


アクセルの日記 333 その1 /Axel’s journal Entry333 TypeA


アクセルの日記 333 /Axel’s journal Entry333 / ファイル名 : english(us)_dialogue_4669~A1_UI_AXE_8517


ステーションは物語冒頭の爆発によって軌道維持システムが不安定になってはいましたが、(マーロウの捨て身の行動がなければ)軌道減衰でKG348に突入or崩壊するまで数ヶ月〜数年(あるいはもっと)の余裕はあるので、恒星間通信でSOSを送信しなくとも物資が尽きる前に救援は到着していたはずです。DLC Lost Contactの主人公である彼ならエイリアンから逃げ延びる未来もあり得たでしょう。アクセルの選択と行動は、あの状況では正解だったと思います。
M2_Axel_LastDash_thum
アクセルはM2終盤のカットシーン(動画が再生されるイベント)でエイリアンに攫われます。背後からエイリアンの尾に刺された瞬間、喉から胸元にかけて血塗れができている事に注目してください。(下画像)
M2_Axel_DeathSide_thum
この血痕はアマンダと最初に接触した際に再生される長さ1分45秒間のカットシーンでも一瞬(30fpsの1フレーム=1/30秒)だけ表示されていました。タイミングは再生開始から約12秒、30秒、39秒、47秒、49秒、55秒(大穴も見える)、1分17秒、1分22秒(極僅か)、1分34秒、1分40秒あたりの10回で、下のGIF画像は1分34秒部分の1フレームを切り出したものです。
M2_Cutscene_Axel_BloodstainGIF
いくつかのフレームでは、左腕に巻いているバンダナにエイリアンの涎も付着しているので注意深く観察してください。これらはキャラクターのアニメーション製作時にバグか手違いで一瞬表示され、見落としたまま録画編集してしまったものでしょう。全てYoutubeにアップロードされているPS4日本語版でも確認できました。https://youtu.be/wSWd8CZb2hs?si=xsfeZewyv8efRG13&t=543 血痕が表示されるのはカットが切り替わった瞬間のフレームのみ。次のフレームではすぐ消えています。1フレーム(60fpsなら2フレーム)は約0.033秒間なので、狙って一時停止をするはかなり難しいと思います。
表示されるのが一瞬とはいえ回数が多いため、
サブリミナル効果を狙った意図的な挿入とも考えましたが、他にも明らかな編集ミスが見られるので多分違うでしょう…
M2_Axel_Gun_disappears_thum M2_Axel_Cusscene_Unused_thum
血痕の他にも1分27秒あたりのカットで右手に持っているはずのリボルバーが消えていたり(左上画像)、1分29秒あたりには編集で削除されたと思しき横からの暗いカットが1フレームだけ残っているというミスもあります(右上画像)。

ちなみに全てのカットシーンはシステム内に拡張子 .webm の動画ファイルとして格納されており、ファイラで簡単に抜き出して再生する事ができます。Mac版のゲームシステムフォルダは、Alien Isolation.appの右クリックメニュー「パッケージの内容を表示」から開けます(参考画像)。macOSのappファイルはフォルダと同じ構造になっているんですね。動画ファイルのディレクトリは以下の通りです。
Alien Isolation.app/Contents/Resources/Data/data/ui/movies/cutscene_11.webm
動画のコーデックは特殊なVP8なので、macOS標準のQuickTime Playerでは再生できません。それに対応するVLC等の動画プレイヤーもしくはエンコードが必要です。自分はHandBrakeで全てエンコードしてしまいました。なお、上記のアクセルとアマンダが初接触するシーンのファイル名は cutscene_11.webm です。

アクセルの3Dモデルと声優はスコットランドの俳優、ジョージ・アントン(
George Anton IMDb)。声質や演技力も印象深く、序盤で退場するのが惜しい個性的なキャラクターだったと思います。左下の画像は公式Youtubeのメイキング映像から、右は所属する俳優事務所 Hunwick Associates のサイトから引用。
エイリアン アイソレーション Developer Diary - Creating The Cast
https://www.youtube.com/watch?v=dK8eR-3Q6M0&t=87s
YoutubeMaking_Anton_thum HunwickAssociates_GeorgeAnton
Axelのフルネーム「アクセル・フィールディング」とIDタグの画像は、クリエイディブ・アッセンブリーの品質保証(QA)マネージャー Adam Fielding 氏に由来するもののようです。
ID_A_FIELDING

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SEVASTOPOL TECHNICAL OPERATIONS(テクニカル・オペレーションズ)
technical_operations_patch
セヴァストポリが雇用するテクニカル・オペレーションズのワッペンです。見かける服装は様々。
Operation/Operatorですから、ステーション施設の運用・操作に関わる仕事だと推測できます。このパッチをつけた人物は特定の施設に結びついておらず、ステーション全体の運営に従事していました。地理的にも広範囲で活動が見られます。
後述するチーフ・ポーターのログから判断すると、トランジット(PS4:連絡シャトル)と呼ばれるTOWERLINKの交通管理、ステーション内外の通信管制、セヴァストリンク端末メールシステム等の保守管理、アーカイブの管理、住民への技術サポート、各所で使われる作業用アンドロイドの監督など幅広い業務を担っていたようです。

原作映画エイリアンではランバート(Lambart)が似たマークのバッジをつけていました。原作のランバートはノストロモ号のナビゲーター(通信士 communications technician)でしたから、Alien Isolationでも通信に関連する業務のシンボルとして採用したのでしょう。
Alien1979_Lambert_Navigator_badge_thum John_Mollo_Design_Navigator_badge
映画の衣装をデザインしたジョンモロ氏のスケッチのキャプションも NAVIGATOR でした。

このワッペンをつけた生存者の代表はヒューズでしょう。目の前で殺されてしまいますが…(画像クリックで拡大)
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下の画像はM4 SEEGSON COMMSでアンドロイドに殴殺された時のもの。(画像クリックで拡大)
m4_hughes_02_thum
同じテクニカルオペレーションのワッペンをつけたNPCは多数いますが、SEEGSON社員の彼はシャツの左胸にも社名が入っています。役職はコミュニケーションマネージャーだったようです。各ログ(log#026等)やDLCの発言から、外部との長距離(恒星間)通信を復旧させようという強い責任感が見て取れます。また彼は作中では数少ない妻帯者でした。妻のクレアと一人娘のマリー、猫も飼っていたようです(log#019 音声)。
製品版では通信を遮断したのはアポロでしたが、
改変前のストーリーでは何らかの理由で通信を遮断したのもヒューズらしく、害獣(ネズミ)発見駆除用の動体探知機を改造してあの机に置いたのも彼だったようです。製品版でも動体探知機を拾ったのはヒューズ殴殺イベントの手前でした。

Bartholomew Hughes バーソロミュー・ヒューズ | Xenopedia ゼノペディア
https://avp.fandom.com/wiki/Bartholomew_Hughes 日本語に翻訳

下はとあるバグを誘発すると見られる「
予定外の場所で事前に殺されたヒューズ」(画像クリックで拡大)
m4_hughes_glitch01_thum

こちらはドアの衝突判定バグを利用し、ヒューズと共闘しながらアンドロイド2体を倒して撮った画像です。
Hughes_exist_side_thum Hughes_exist_front_thum
ヒューズはゲームシステム上、味方ではなく略奪者として扱われているらしく、こちらの姿を発見すると攻撃を加えてきます。逆にアマンダがリボルバーで直接殺害してもゲームオーバーにはならないようです。また、ヒューズを殴殺する予定のアンドロイドを事前に倒してもヒューズを生かして進行させる事はできません…

ヒューズ(Hughes)の3Dモデルになった人物は特定されていません。ヒューズの顔は彼専用ではないようで、服装だけ違う略奪者を頻繁に目にします。ヒューズはアーカイブログでも存在感のあるキャラクターですし、DLC SafeHaveで思い入れのある人も多いはず。もっと特別扱いしても良かったと思います。この時点ではまだ妻子は生きている筈(log#026 12月11日)なので、もしリメイク版が製作されるならヒューズ生存ルートも用意して欲しいですね。

下はサン・クリストバル病院施設の精神科救急病棟(CRISIS STABILIZATION UNIT)個室 A-29にある死因不詳な遺体。
m5_room_a29_purcell_thum
ヒューズと同じ服装に見えますが、左胸にSEEGSONのロゴはありません(上画像はクリックで別角度が開きます)
精神科のCRISISな病棟ですし、外傷も見当たらないので、彼の死因はおそらく急性の病気か薬物中毒です。周囲にビール缶と薬瓶が多量に転がっている事から精神科救急病棟に入院した経緯も察せます。ヒューズと同じく革靴なので内勤の技術系専門スタッフと思われます。
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(上の画像はクリックで拡大)当直表によると患者の名前は Purcell(パーセル)のようです。同室のモーリー医師が殺された際、エイリアンが無視している事から、Purcellは既に身罷っていたと推測されます。モーリー医師は殺されるまで病院内に残っている患者がいないか見回っていたようです(log#044)。
ルームA-29の窓際のテーブルには対戦中のチェスが置かれていますが、モーリー医師による治療記録(log#040, 9月23日)によると、チェスが好きな患者の名前はJ.Greenとなっています。名前の横の赤丸はおそらく
トリアージの色でしょう。当直表が書かれた日から事件当日まで数日更新されないまま患者が移動した可能性もありそうです。

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S.C. IV VII (SAN CRISTOBAL MEDICAL) サン・クリストバル病院施設の医師と職員
san_cristobal_patch trauma_logo
このワッペンにあるS.C. はサン・クリストバルの略でしょうが、下のローマ数字の意味は不明です。
SAN CRISTOBALは旅行者の守護聖人である聖クリストファーのスペイン語表記だそうです(Xenopedia)。CHRISTOBALと綴ってあるのも見かけます(上画像右)。シーグがSIGGになっていたり、このゲームは固有名詞の表記の揺れが多いです(スペルミスかもしれませんが…)。そもそもSEVALTOPOLがウクライナ語の地名のラテン文字表記ですね。単語の綴りの揺らぎはラテン文字転写する際に起こる変化だと推測されてます。

Wikipedia_Star_of_Life_thum
マーク自体は救急医療のシンボルであるスター・オブ・ライフがベースですが、本来中心のアスクレピオスの杖に翼はありません。

医療施設のワッペン(Patch)を代表する死体はモーリー医師(Dr.Morley)でしょう(下の画像はクリックで拡大)。
m5_morley_thum
このワッペンと服装の組み合わせはモーリー医師と、M7シーグソンシンセティックスにある固定の射殺体以外で見たことがありません。医師らしく、かなり遭遇率が低いコスチュームです。なお、クールマン医師は役職を外されたのか解雇されたのかは不明ですが、BIOCHEMICAL RESEARCHのワッペンが入った服を着ていました。
M5_Medical_Room_A29_door_thum
モーリー医師の死体の場所は、クールマンのおつかいで怖い思いをしたM5 病院 精神科救急病棟の個室 A-29。
M5_Medical_Room_A29_Wide_thum
上の画像はROOM A-29 の俯瞰。(画像クリックで拡大)左のベッドに寝ている男性はテクニカル・オペレーションズのワッペンの項目で扱っている死因不明遺体です。モーリー医師が死亡したタイミングは不明ですが、リンガード医師に宛てた11月15日のメール(log#044)によると、彼は閉鎖ギリギリまで患者の移送を確認を行なっていたようです。彼の行動が分かる最後の発言(log#044)は「私はロックダウンされる前に可能な限り外科病棟の患者を移送する準備をしました。これから精神科病棟の2階に居残っている人がいないか確認しに行きます」という内容でした。まさに彼の死体のあったフロアですね。
ウェイツからモーリー医師への病院封鎖の最後通牒にあたる11月16日のメール(log#045)への返信はなく、保安部による封鎖も問答無用で行われたようです。
その後のリンガードからモーリーへの連絡は、臨時病院のヘルプや閉鎖中のプライマリーケアフロアに入るためのカードキーに関する11月18日のメール(log#046)と、モーリーのオフィスの端末にあった隔離体制進行と院内共通パスコード1702を伝える11月23日のメール(log#036)があります。いずれにもモーリー医師の返信や反応は見つかりませんでした。この辺りからモーリー医師の死亡日が推測できます。
保安部による封鎖は当初プライマリーケアフロアだけでしたが、エイリアンの出没に従い範囲を拡大していったようです。ちなみにアマンダが最初に降り立ったターミナル区域が封鎖されたのは12月5〜8日頃でした(log#007 #012 #014)。
M6_Morley_Face_thum M5_Medical_Room_A29_OpenDoor_thum
上左はモーリー医師の顔面です(クリックで全体の高解像度を表示)。この損傷はエイリアンのインナーマウスによって抉られたもので、原作映画のファンの間ではヘッドバイトやフェイスバイトと呼ばれている死に方です(バイト bite = 噛みつき)。下の歯は見えますが、内部の構造が殆ど分からない単純な凹みなので、後述の別バージョンと比較するとグロさは控えめです。
本作品の顔面損傷は抉られ方の異なるモデルが2種類あるようです。モーリー医師のものは造形が簡素で、上顎から前頭部にかけて上下に大きな凹みになっているタイプ。もう一つはM10 プロジェクトKG348上層デッキ通路に横たわるハンガークルーのタイプです。後者は上顎と両目の眼球が残っており(無修正の海外版PC/Mac版の場合)、抉れは鼻から額にかけての拳大の凹みで、形はほぼ円形でした。(M5にも同様の死体はありますが、暗くて分かり難い)

ちなみに日本国内版モーリー医師では壁にもたれ掛かるように寝ていて、内臓の露出が修正されています(下画像)。
ps4_JP_Dr_morley
顔の抉れ方や服装も変更されています。上はYoutubeに投稿されているPS4日本語版のキャプチャーですが、スラックス(ズボン)と靴が異なっています。周囲の床に落ちている物や血痕にも違いがあるようです。顔面の凹みに眼球が残っているかは未確認。
引用元:https://youtu.be/qN4n0-Smr8Y?t=322


m7_doctor_body
上はシーグソン・シンセティックスのアンドロイド保管庫トレーニングルーム広間にある固定死体。
目立つ特徴のない、ありきたりなコスチュームに見えますが、本編に登場するキャラクターでこの服装の組み合わせは彼とモーリー医師だけなので、自分はドクターだと判断しました。見落としている可能性はもちろんありますし、ランダム出現の略奪者として登場する事も考えられるので、注意深く観察しながらプレイしています。
この死体が医師なら歯科医のフェルナンデスかもしれません。他の医師はこの場所に行く理由が見当たりませんが、フェルナンデスは個人医院で使用していた医療用アンドロイドをシーグソン・シンセティックスの整備士に診てもらいたいと訴えていました(log#064 アンドロイド整備士への要求 11月14日)。エイリアン騒動の初期にアンドロイドの暴走が起きた際、予防的な措置で停止状態にしたようです。


職員寮にある当直表によると、エイリアン事件前は3人の医師でフロアを回していたようです。当直表の日付は不明。
dr_onduty_list
ウェイツが病院封鎖に関してモーリー医師宛に送ったメール(log#045)が11月16日。リンガード医師が居住タワーに拠点(野戦病院?)を設置してモーリー医師にヘルプを頼んだメール(log#046)は11月18日で、この時は既に封鎖済みだったようです(モーリー医師からの返信は無し)。よって保安部がプライマリーケアフロア(M6のマップ)を封鎖したのは16日〜18日の間だとわかります。M5のマップである精神科の封鎖時期は不明です。

当直名簿(log#052)によると、9月9日頃サンクリストバルで勤務していた医師は以下5人。
リンガード:上級医
モーリー:一般医療、臨床医
クールマン:一般医療。臨床医
ウエスト:放射線医
フェルナンデス:歯科医(歯科は個人の歯科医院で、爆発のあったレセプション隅の部屋にある)
他にもログにはモルグ(死体安置所)の作業員か監察医のフランク等、数名の病院職員の名前が見られますが役職は不明。


サンクリストバル病院は本編M5の精神科フロアとフォスターの死体のあったM6プライマリーケアフロアの他にもエリアが多数あり、シナリオ改定前は大規模なマップだったようです。本編で切られたマップのエリアはDLC(サバイバーモード)で再利用されています。
DLCロストコンタクトのマップである LORENZ PRIVATE WARDS(PS4:ロレンツ民間共用区)、リンガードのDLC「Reoperation(再診)」のマップである
小児科を含むフロア、ランサムDLC「Scorched Earth(証拠隠滅)」のマップであるラボ(Medlabs)のあるフロア等です。医師もフロアや診療科ごとに在籍していた可能性があります。ステーション運用規模縮小による患者の移送は、10月初旬から行われていた(log#041)らしいので、閉鎖された診療科もあったはずです。

下の画像はランサムが主人公のDLC Scorched Earth(証拠隠滅)に、密かに登場する Dr. Lingard リンガード医師。
DLC_ScorchedEarth_Lingard_tele_thum
本編では端末の告発動画とログ以外には登場しないリンガード医師ですが、DLC Survivor Mode(サバイバルモード)の「Trauma(トラウマ)」では主人公の操作キャラクターです。彼女は保安部による病院封鎖後も、ソロモン居住タワーのジョサイアシーグ・エグゼクティブ・アパートメントに避難キャンプ(野戦病院)を作って医療を続けていました。
小さくて分かり難いのですが、顔も服装もリンガード医師専用で、靴も白いスリッポンに見えます。上級医らしく左胸に名札、右胸にサン・クリストバル病院のマークが付いています。ゲームシステムをハックするツール(Cinematic ToolsのFree Camera機能)を用いて彼女の間近まで寄った映像がYoutubeにアップされていますので探してみてください。Xenopediaの画像もその手法で撮られています。
このリンガード医師の姿はDLC 証拠隠滅で、ラボの机に置かれた研究ファイルを拾う際に見ることができます。(下画像)
DLC_ScorchedEarth_Lingard_01_thum DLC_ScorchedEarth_Lingard_02_thum
上のシーンは別のDLC「Reoperation(再診)」で Emergency Hazard Cleanse(PS4:緊急駆除プログラム)を起動する様子を、ランサム(Ransome)の視点から眺めたものなのです。反対にリンガード医師が主人公の「再診」で端末を操作する際、見上げると窓の向こうにランサムの姿が見えます
このリンガード医師が起動した駆除プログラムによって、ランサムのいた部屋に火災(爆発)が起こります。これは文字通りのバイオハザードに対する緊急防疫もありますが、
寄生体の研究ファイルがランサムの手中になる事を防ぐために起動したようです。ランサム本人ごと(事件の研究データを)始末する手段として爆破させた可能性さえあります。ランサムの姿が見えるのに躊躇なく駆除プログラムを起動していますから…

K. Lingard リンガード | Xenopedia ゼノペディア
https://avp.fandom.com/wiki/K._Lingard日本語に翻訳
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改変前のストーリーでは寄生体の研究でキャリアアップを目論むランサム側のキャラクターだったようですが、製品版では組織のルールを破ってでも正義と人道を重んじる人物として描かれています(DLCの語り及び log#048)。

プレイ中、Option→Video設定で画角を狭くしてから下を向くと、プレイキャラクターの足元〜下半身が視野に入ります。それを利用してリンガードの足を確認したところ、上の画像と同じ艶のある白いスリッポンを履いていました。服装も生地の感じからすると専用品です。下の画像は左右リーンを利用して斜めから眺めた様子。(画像クリックで大きな追加画像が開きます)
DLC_Trauma_Lingard_shoes_Side_thum
DLC(サバイバーモード)のシナリオは、本編中で語られなかった(尺の都合でカットされた)ステーション住人たちのサバイバルに焦点を当てたストーリーとなっています。上のリンガード医師とランサムの隠れた攻防もそのひとつ。フォスターの寄生体を巡ってランサムが暗躍し、彼に強請られながらも(log#048)リンガード医師がそれを告発するという、本編M5-M6で触れたサイドストーリーに繋がっているのです。
リンガード医師の DLC Traumaの3つのシナリオは、封鎖された病院で医療物資を集めて医療キャンプに帰還するまでが描かれています。3つ目のシナリオ「Overrun(蹂躙 じゅうりん)」で帰還した医療キャンプは、暴走アンドロイドによって既に壊滅していました。この事から本編でKG348ラボがパージされたミッション10〜11と前後するストーリーだと分かります。
Special Order 939 により、アンドロイドがステーション全域で住民の抹殺を始める本編ミッション11開始時点ではリンガード医師はまだ生存していたようです。その後の消息は不明ですが、ステーションを生きて脱出できた可能性は低いでしょう。

サバイバーモードを本編と無関係なミニゲームだと思って放置している人も多いようですが、一度通してプレイしてみる事をお勧めします。各シナリオの主人公キャラクターの足跡はもちろん、
本編でアマンダ達に降りかかる謎の厄災の原因が色々と判明する仕掛けになっているのです。例えばトレンス号入港時のウェイツとの交信がノイズまみれだったのも、アマンダ達が宇宙遊泳中に巻き込まれる爆発の原因も、ターミナルの窓のシャッターが突然閉じたのも、DLCをプレイしてOptional Objectives(ボーナス目標)を達成すればわかります。
自分は窓の外の遠くにトレンス号の姿を見つけてちょっと感動しました。群像劇として全て繋がっているのです。

サンクリストバルのワッペンをつけた看護師や入院患者は様々なコスチュームで登場します。
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上はM10封鎖作戦あたりで出会う固定の射殺体(画像クリックで別角度が開きます)。彼も病院施設のワッペンですが、他の固定死体の状況から判断すると、MEDICではない丸首シャツは入院患者の服装だと思われます。病院には同じ上下の組み合わせで、車椅子に座っている死体がありした(下画像は画像クリックで拡大)。
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この男性の胸の損傷はチェストバースターが飛び出た痕です。床に這って逃げた血痕も残っています。(下はクリックで拡大)
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下はサン・クリストバル病院の看護師と思われる男性。胸に
S.C. MEDIC のワッペンが付いています。(クリックで拡大)
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S.C. SAN CRISTOBALの略ですね。自分は100時間単位でプレイしている筈ですが、この服装の男性看護師(Medic)との遭遇率は低く、プレイ開始13ヶ月でまだ数人です。上の画像は固定死体ではなく略奪者の一人。
襟なしシャツ(Tシャツ)の男性と女性の看護師はM10封鎖作戦開始時のシステックロビーに固定で生存しているので100%会って会話することができますが、上の画像のタイプの男性看護師に必ず会えるシチュエーションは思いつきませんでした。
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上の男性看護師も比較的レアな組み合わせです(画像クリックで拡大)。この男性はランダムに出現する非武装の民間人2人組のひとり。シャツの前を開けて腕まくりをしています。苦労があったのでしょうか、袖口や裾も汚れていて看護師らしくありません。
略奪者として出現するかは多分に運ですが、事件以前にステーション内で働いていたと予想される職種ごとの人数と遭遇率には相関があると考えています。自分はまだモーリー医師と同じ服装の略奪者を見たことがありません。
建物の規模の割に医療従事者も患者も少ないのは、残されたアーカイブログ類から推測できます。エイリアンの事件以前の9〜10月には廃港が決まっていて、患者の移送が行われていました(log#006 操業停止のご挨拶 9月28日他, 039, 041等)。残っていたのは移送できない(拒否していた)患者と新規の傷病人だけだったようです。職員と患者を合わせても数十人程度と思われます。

下はミッション10 封鎖作戦の冒頭で4番目に会う女性看護師(Medic)です。場所はフライトレコーダーを発見した部屋の左手前(SYSTEM MONITORING)。ロビーの3人(2階のラウンジにアップスタイルの女性看護師が1人いる)と会話をして逃した後に彼女と会話すると、シャトル乗り場の階段を上った直ぐにあるロックされた部屋のパスコードを教えてくれます。ただしM10冒頭でシャトルを降りて扉の前を通る際、ドアの前に立って「パスコードが必要」のダイヤログを表示させておかないと会話が発生しないようです。(画像クリックで拡大)
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この手順の面倒な会話イベント自体が隠しアーカイブログ(log#149)となっています。
入手条件に最初に気づいた人は凄いです。偶然で見つける事はできるかもしれませんが、要件の切り分けが難しいので。
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このセリフはシステム内部に3バージョン(女性2+男性1)存在しています。残り2つは恐らく本編では未使用だと思いますが、なんらかの手順で他のNPCでもパスコードの会話が発生するのかもしれません。下はその男性板の音声です。

(ファイル名 english(us)_dialogue_6215~A1_M1402_CV1_1962 )

下の画像は珍しい襟付きシャツを着た女性看護師です(画像クリックで色補正前が開きます)。自分は初めて見る顔でした。
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この女性はDLC 「ロストコンタクト」のロレンツ民間共用区、第3ステージで火災から救出する民間人のひとりですが、この時点では開かないドアの向こう側の更に物陰にいるため、通常は接近できません。上の画像はクローチクリッピング(壁抜け/ドア抜け)を駆使して裏手に回り込んで撮影しています。表面の傷から推測するとブラウス本体は他の職業のコスチュームと共通のようです。DLCはゲームの発売後に追加されたシナリオだからでしょうか、本編で利用頻度の低いコスチュームやオブジェクトを優先して採用している印象があります。助けたもう一人の民間人は、本編には直接登場しなかったランサムと同じジャケットを着ていました。

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SEVASTOPOL EXECUTIVE OFFICER (エグゼクティブ・オフィサー)
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このマークは原作映画ALIEN(1979)に登場するエレン・リプリー/ダラス/ケインがつけていた小さなバッジにも見られるデザインです。本作では保安部など、主に公職的な仕事のキャラクターと施設に関連付けられています。システム上の名前もExecutive Officerです。

映画ALIEN(1979)の衣装デザインを担当した
ジョン・モロ氏による当時の手書きスケッチには「FLIGHT CREW」という説明がついていました。宇宙船の操縦(flight)を担う乗組員「士官」「航海士」に相当するシンボルとして設定されています。
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Executive_Officer_badge_Dallas_thum Executive_Officer_badge_Ellen_thum
上の画像は映画のダラスとリプリー(クリックで拡大)が付けているバッジです。エイリアン: アイソレーションのオリジンミッションでは両者共にこのバッジは省略されていました。映画では他にケインも同じバッジを付けていたらしいのですが、手持ちの映像では模様のわかる鮮明なカットが見つかりませんでした。ノストロモ号乗組員の中で3人のみが航海士(士官=高級船員)だったようです。
なお作中の「航海士」は船内での役職名ではなく公的な資格を指しています。エレンは続編のALIENS(エイリアン2)の冒頭、ノストロモ号事件の引責で航海士の免許が無期限停止されます。

初代映画のエレン・リプリーは「二等航海士」の資格を持ち、船長(captain)ダラス、一等航海士ケインに続く3番目の職位でした。映画ラストで「Third officer reporting 〜」と語りますが、これは三等航海士ではなく指揮権が第3位の船員という意味です。
余談ですが、昔録画したテレビ朝日版の吹き替え(1992年 日曜洋画劇場/戸田恵子リプリー)は Third Officer の部分をちゃんと「二等航海士」に置き換えて訳していました。下のオーディオファイルがその放映版二カ国語音声です。左チャンネルが吹き替え、右チャンネルが原語となっています。ステレオイヤホン/ヘッドホン等で片側ずつ聴き比べてみてください。

現在視聴可能な最も新しい日本語訳はディレクターズカットの配信版字幕だと思いますが、そちらは
「第3航海士」となっています(2020年U-nextで視聴, 現在配信終了)。この Third(3rd) Officer はネイティブの英語話者でも三等航海士と勘違いする人がいるくらいなので、いずれも良訳だったと思います。

エレンの階級は公式に Lieutenant(First Class)と Warrant Officer の表記が見られますが、初代映画の時点では明確にされていなかったようです(続ALIENS エイリアン2で判明)。日本語ではアバウトに「准士官」と訳されていました。これはWarrant Officerに対応する軍人の階級ですが、日本語の「士官」は将校とは限らず、船舶用語でも高級/上級船員に使われるので都合が良かったのかもしれせん。

フィクションの設定と現実にある呼称の対応は難しいのですが、初代映画ALIENの世界観では宇宙を大海に見立てており、ノストロモ号を民間の商用貨物船として扱っています。エレン・リプリーもラストの最終報告で商業宇宙船(commercial starship)ノストロモ号の船員とはっきり名乗っています。よって軍隊の階級を当てはめて中尉や准尉と訳すのは不適当でしょう。以前は軍人扱いの説明をよく目にしました。

SF映画の宇宙船乗組員の階級は作品世界ごと異なりますが、組織的には海軍艦艇の指揮系統を踏襲する作品が多いようです(
宇宙世紀シリーズのガンダム等)。これは宇宙戦争モノの流行や宇宙船単位で行動する物語の都合からでしょう。ALINES(エイリアン2)のスラコ号は、地球外での任務を海外派兵に見立て、アメリカ海兵隊基準の組織になっていました。航海士の資格を停止されたエレン・リプリーにも特別に海兵隊中尉の階級が与えられていたようです。


原作映画では FLIGHT CREW のシンボルという事ですが、ゲーム内において航海士との接点は見られません。
下はM10中盤で遭遇する Executive Officer の固定死体。座った状態で正面から銃殺されたものと思われます。

M10_Executive_Officer_UP_Side_thum M10_Executive_Officer_UP_Front_thum
場所は GEMINI EXOPLANET SOLUTIONS の Quality Control 受付ですが、なぜこの場所にいたのか、誰に撃たれたのか、死亡時期もなにもかも不明です。
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エグゼクティブオフィサーは日本語だと上級公務員/上級職/執行役員/上級将校/上級船員になるので、このゲームの登場人物中ではランサムに次いで偉い職位になるはずですが、彼の服装は全くEXECUTIVEに見えません。最初は役員が住むコーポレート・ペントハウスのフロア(ランサムDLCの最初のマップ)で働く事務職(公務員)かとも思ったのですが、どうやら違うようです。ストーリーに絡む名のあるキャラクターで、このワッペンを付けている人物は記憶にありません。

漢字の「王」を重ねたようなマークは、保安部のバッジやマップ看板上のアイコンにも見られます。アイコンが使われている対象から推測すると、公的な権限が与えられている立場と考えるのが妥当でしょう。使われている範囲はかなり限定されています。
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作中では「Josiah Sigg Executive Apartments」のフロアも全くエグゼクティブ感のない市民向け居住区だったりします(Siggは誤植かも)。グランシャトーやグランパレスを名乗る木造アパートみたいなもんでしょうか。上の画像はリンガードが主人公のDLCに登場する居住区の入口看板です。本編(キャンペーン)でこの名称を見た記憶はありません。
キッチン他居住設備も全て共用。プライベートが全くない二段ベットの狭い相部屋に数人が住んでいるドミトリー(寮形式の)施設となっています。同じExecutiveなのにランサムらSEEGSON役員と明確な待遇の差をつけていることから、このワッペン含めて皮肉を込めた命名なのかもしれません。名ばかり管理職、名ばかりエグゼクティブですね。

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SEVASTOPOL SCIENCE & MEDICAL CENTER 科学医療タワー担当のステーション職員
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このワッペンはSci-Med Tower(科学医療タワー)で働くシーグソンの職員共通のようです。中央の蜂の巣状のマークは映画ALIEN(1979)に登場するアッシュの襟についていたバッジのマークに良く似ています。
ステーション内に沢山置かれている Science Officer Only の Crew Handbook 表紙にもこのマークが入っていました。

このワッペンをつけた生存者の代表は彼女、ジェナでしょう。会話中で名前が判明する数少ない生存者のひとり。
M2_Jana_Goodluck_thum
場所はミッション2のターミナル。アクセルと出会って直ぐの入国管理局行きのエレベーターを修理している二人組のひとりです。システム内に残っている未使用のファイル(下の画像と音声)から、女性のフルネームはジェナ・レルフ(Jana Relph)、職業は貨物(Freight)コーディネーター(調整役/管制官)だと判明。
M2_JanaRelf_unused_dialog


一緒にいる男性の名前はディンスキー(Dinsky)で、同じく貨物輸送関連の仕事に従事していたようです …が、両者とも自己紹介の職業と身につけているワッペンに矛盾があります。この会話は本編からカットされたものですので、改変前は違うコスチュームだったのかもしれません。製品化前に名乗るセリフが差し替えられた理由は、まだ不慣れなプレイヤーにNPC個々人を意識させないためだと思います。自分も初見では物語に絡む主要キャラクターの名前を覚えるだけで精一杯でしたから。
同様の未使用音声は内部に沢山残っています。プレイヤーの心理を読んだ微妙な調整が行われていたんですね。

Jana Relf ジェナ・レルフ | Xenopedia ゼノペディア
https://avp.fandom.com/wiki/Jana_Relf こちらは綴りがRelfとなっています。
Dinsky ディンスキー Xenopedia ゼノぺディア
https://avp.fandom.com/wiki/Dinsky

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左の男性はKG348のワッペンをつけています。両者共に銃を持っていない事に注意してください。アマンダがこの後に出会うNPCは全員銃を持っていて、敵対する略奪者たちでした。武装の有無で敵対する/しないの判断が可能な事を学ばせる最初のステップだったんですね。
M2_Jena_holdup02_thum
上の画像は軽口を言いつつ2人に銃を向けるアクセル(クリックで拡大)。このシーンの会話もシステム内部には複数種類存在しています。製品版のアクセルは「 I'm John - this is Ringo. (日本語版:俺はジョン、こっちはリンゴだ)」と名乗りますが、未使用の別バージョンでは他のビートルズメンバーの名前も含まれた「 I'm John - this is Paul. George and Ringo are right behind us, carrying the fucking drum kit. 」となっていました。(下はセリフ字幕の画像と音声)
M0401_AXE_6831

訳すなら「 俺はジョン、こっちは
ポール。ジョージとリンゴも直ぐドラム背負ってやって来るぜ 」みたいな感じでしょうか。他にも武器を持った仲間がいるという冗談めかしたハッタリのようです。確かに少々冗長なセリフに感じます。

M2_Terminal_Jena_place_thum

下の人物はM11冒頭でアンドロイドから逃げている市民で、ランダムに登場するNPCになります。なので「この場所に存在している意味」を考察する対象ではありません。生存者で坊主頭は比較的珍しいです。また、胸元にも肩と同じ大きなワッペンが付いています。
m11_SCIENCE_MEDICAL CENTER_thum

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SEVASTOPOL ENGINEERS(セヴァストポリ エンジニアース)
sevastopol_engineers_patch
このパッチを付けたNPCは作業着つなぎ姿が多い印象です。整備区域以外の現場で働く技術職員でしょうか。

死体の代表はアマンダがメンテナンスジャックを頂戴した、この男性で決まりです。(下画像はクリックで拡大)

M2_Zach_Watson_thum
上はM2中盤で訪れる証拠保管所にあるザック・ワトソン(Zach Watson ID: 6132)の死因不明遺体。ターナーの音声 log#013 で酔っ払い野郎(wasted asshole)と呼ばれていた人物です。ザックは略称で、本名はZachary ザッカリーらしい。(log#014)
Zach Watson ザック・ワトソン Xenopedia | Fandom
https://avp.fandom.com/wiki/Zach_Watson
血だまりはあるのに外傷がない理由はおそらくレーティングの関係でしょう。彼はプレイヤーが最初に出会う死体なのと、マルチレンチ(Maintenance Jack)取得シーン等、世界共通のプロモーション映像に使われる可能性が高いため、初めから自主規制したのだと思われます(アル中らしいので病死の可能性もありますし、非固定NPCの死体に血痕や損壊が付かないシステム上の都合かも)。
エイリアン: アイソレーションは販売国によって死体の損傷具合が違うらしく、コンソール機(PS4/Xbox)日本語版は全ての死体で内臓の露出が修正されています。顔が抉られた死体も細かい造形(眼球など)が一部が省略されているようでした(解像度の仕様で見えていないだけかもしれませんが)。その他の修正箇所は確認できていません。モバイル版とSwitch版は未確認です。
M2_Zach_Watson_Wrench_thum M2_Zach_Watson_after_thum
上はレンチ取得シーンとその後の体位。下はレンチを取得した後の引き画像。(いずれも画像クリックで拡大)
M2_Zach_Watson_Wide_thum
死体の横にある音声(log#014)も彼によるものです。ステーション内にいる「何か」に酷く怯えている様子で、その何者かの侵入を防ぐために保安部があちこちの扉をロックしているのだ推測していました。また、ゲームシステム内には未使用となったワトソンの音声が1つ残っています。
保安官のターナーが酔った彼を証拠保管所に閉じ込めた日付は12月4日(log#013)で、ワトソンの音声テープは12月8日ですが、4日間ずっと閉じ込められていたのか、その間に出入りがあったのかは不明です。死亡日もはっきりしません。後のミッションでこの場所を再訪した際、ワトソンの死体は消えていたため固定扱いではないようです。
それどころか彼が生き返るバグもあります!(右下の画像)
M2_Watson_fence_glitch_thum M2_Watson_Resurrection_Glitch_thum
左上はPC版のスピードランでよく知られたフェンス越しにマルチレンチを拾う裏技です。(クリックで拡大)
あくまで目安ですが、画像の位置に立ってフェンスの支柱の境目あたりに画面中央を合わせると、画像のようにピックアップのダイヤログが表示されます。ドット単位のシビアなマウス操作が求められるため、挑戦せずに通常通りダクトを登るスピードランナーもいるようです。
この裏技でレンチを拾うと付随して視点移動できなくなるバグが発生するため、後ろ歩き&カニ歩きで近くのロッカーまで移動し、ロッカーへ出入りをして治します。その後、横にあるセーブポイントでセーブ&即ロードをすると
ワトソンが生き返った状態から開始されるようです(セーブ&即ロードでもカニ歩きは治ります。またセーブ後ロードせずにそのまま続行したり、セーブ前にダクトに入ったり、途中にあるセキュリティーブレースを外すと、視点と体が分離する幽体離脱バグで進行不能になります)。
ちなみにフェンス越しにレンチを取得して進行し、後に再訪したところ、ワトソンは消えていて扉もロックされたままでした。(
画像

ENGINEERSのワッペンをつけた生存者の代表は、ジェミニで黄昏ているお姉さんでしょう。(下はクリックで拡大)
M10_Gemini_Woman_near_thum
名前もこの場所にいる理由も不明です。後述するセリフから、彼女は生きる希望を失いかけているようでした。
M10_Gemini_woman_wide_thum
場所はジェミニ・エグゾプラネット・ソリューションズ(Gemini Exoplanet solutions 略はG.E.S)のエントランス。ここはミッション10のシステックタワー封鎖作戦が失敗した後に通る場所です。このお姉さんはM17で戻った時にも変わらず佇んでいたので、ステーションが惑星に落下する瞬間まで生きていたと思われます。
M10_Gemini_woman_SideCrouch01_thum M10_Gemini_Women_SideR01
この女性はアマンダが近づくと視線や顔を僅かにこちらへ向けますが、極接近すると俯きます。また爆発音など周囲の異変を感じたり、アンドロイドや略奪者が現れると立ち上がって周囲を警戒し、隠れたり逃げる仕草をします。
M10_Gemini_Woman_Stand_tall_near_thum M10_Gemini_Women_Stand_closeup_thum
m10_gemini_woman_wide02_thum
下は彼女が繰り返し話しかけてくる独り言のようなセリフ(の一部?)です。

It could be anywhere, couldn't it ?(あれはどこにいてもおかしくない。ですよね?)M10進行時
Keep your head together, you can do it.(冷静になりましょう、あなたならできます)M10進行時
You look like you've been through the mill.(あなたは大変な苦労をされたようですね)M10進行時
Good to see a friendly face.(あなたは良い人そうですね)M10進行時
This has gotta be a bad dream.(これは悪い夢に違いないです)M10進行時
This place looks safe.(この場所は安全に見えます)M10進行時
I'm sure they were here.(みんなここにいたはずなのに)M10進行時
We're gonna die here. You know that, right ? (私たちはここで死ぬんです。あなたも分かってるでしょう?)M17再訪時
This really doesn't feel right, does it ? (これは本当におかしい事ですよね?)M17再訪時

投稿されている動画を見ると他にもバリエーションがあるようでした。毎回2〜3種類のセリフのセットが選択されるようですが、それがランダムなのかミッションや再訪ごとに変わるのかは未検証です。アマンダを認識するとこちらに話しかける内容の台詞に変わる気がします。これらのセリフは彼女専用ではなく、他の女性キャラクターにも使われているものです。
M10_Gemini_Woman_Window_thum
この場所はM17まで再訪できます。M10以降でランダム出現の略奪者や敵対する赤目アンドロイドが近くに湧いた場合、女性は殺害対象とされるようです。下の画像は白目のアンドロイドと女性が睨み合っている様子。女性は警戒しているものの逃げません。ここで白目が登場する事自体が稀なので、かなりレアなシチュエーションだと思います。
M10_Gemini_Woman_Android_wide_thum
上の白目のジョーはこの場所で立ち止まり、後ろに手を組んでしばらく様子を伺った後、去って行きました。
彼女はKG348で体育座りをしている帽子のお兄さんと並んで印象的な無名NPCなのですが、Xenopedia含めてwikiでは一切取り上げられていません。名前がないだけで扱いが軽いのはちょっと可哀想です。

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14 04 ★(所属不明)
m8_10_04_patch
システム内部ではSevastopol 1404 uniform patch と表記されているワッペン。数字の意味は不明です。

m8_transit_control_patch1404_thum
赤目アンドロイドが閉じ込められていた交通管理室の備品庫(作業室?)再奥にいる死体。現実世界のデザインから類推しては宇宙飛行士(航海士)の資格を表すワッペンだと予想していますが、現在まで特定できていません。
M8_Transit_Control_thum
M8なのでアンドロイドが暴走している理由は不明。M10で起きるKG348ラボのパージ以前は「エイリアンに危害を加える者」「外部との通信を試みようと通信室に侵入した者」以外を積極的に殺す理由がありません。連絡シャトル(transit)の復旧を阻止する目的でアポロが派遣したジョーと対立したのでしょうか。

m12_Suzanne_Archer_01_thum
上の画像は名前と死亡した状況が推測できる数少ない死体のひとつ(クリックで拡大)。スペディング Spedding の恋人で、彼のログにも度々名前が登場するスザンヌ・アーチャー Suzanne Archer。女性の固定死体は珍しいですし、仕掛けやシナリオも力が入っている密室殺人なので詳しく見てみましょう。
場所とログから、彼女はシンセティック・ショールームの受付係だった事がわかります。family name「アーチャー」はlog#111で判明。パンプスを履き、ブラウスの胸元には保安部やExecutive Officerと同じマークの記章が入っています。
suzanne_badge m12_suzanne_court_shoes_thum
モデリングの都合からでしょうか、このゲームに登場する女性キャラクターの髪型は全員アップスタイル/まとめ髪(シニョン)となっています。彼女もアップにした髪を丸めてバレッタで留めていますが、そのバレッタは高精細な「べっ甲」模様付きで関心しました。現代の若者(私です!)目線だと「おばさん臭い」と感じる色柄ですが、初代エイリアン当時は身近な物でした。ちなみにタイマイ(ウミガメの一種)の甲羅から取れる天然素材のベッコウは、髪の毛や肌に触れる装身具の素材として多くの利点があります。ただ、当時も今も流通しているべっ甲柄のアクセサリーの多くはプラスチックで作られた模造品です。
m12_suzanne_hairstyle_thum
横の端末内にあるスペティングからのメール(11月26日 log#109)には「ショールームに閉じこもるんだ。そこにあるアンドロイドは展示モデル(display models)だから心配いらない」とあります(下の画像)。近くにはマットレスが敷かれていて、寝泊まりの跡からも数日過ごした事がわかります。椅子に座って死んでいるので、うたた寝していたかリラックスした状態で不意を突かれたのでしょう。死因はアンドロイドによる殴殺・撲殺。
m12_log109_to_Suzanne
死亡のタイミングは不明ですが、スペディングがlog#123で「スザンヌに愛していると伝えてくれ」という音声を遺したのは11月30日、ラッセルの残した「自分はスマイスと一緒にショールームの外に武器を集めて籠城している。スサンズは見当たらない」というlog#113の日付は12月11日となっているので、その間に襲われたようです。ショールームはスペディングが備え付けたシャッターロックダウンボタンにより密室となっていました。よってショールームの隣室(SALES AGREEMENTS)にあるショットガンを抱えたKG348職員の死体はラッセルと思われます。
m12_showroom_lock_thum
ミッション12では、上のボタン(画像クリックで拡大)を押してロックを解除して奥のドア(シャッター)を通ろうとすると、展示アンドロイド達が動き出す(お約束の)イベントが始まりました。ちなみに事前にヘッドショットを撃ち込んでも無駄です。

下の画像はM17の難所、娯楽室のマップ終盤で遭遇する1404のワッペンを付けた不可解な死体です。エイリアンWikiのXenopediaではこの死体をジェイク・シンクレアのものとして掲載されています。



Jake Sinclair ジェイク・シンクレア Xenopedia | Fandom
https://avp.fandom.com/wiki/Jake_Sinclair

1404_NPC_Asian_Women_Front_thum1404_NPC_Asian_Women_lie_thum
上は1404のパッチを付けたランダム出現の略奪者。アジア系の女性は比較的珍しいので載せておきます。

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SEVASTOPOL BIOCHEMICAL RESEARCH ★(バイオケミカル・リサーチ)
biochemical_research_patch
バイオケミカル・リサーチが独立した会社なのか、シーグソンやステーション内の部署なのか、未だに不明です。

このワッペンを代表する生存キャラクターはクールマン医師でしょう。(画像クリックで拡大)
m5_Kuhlman_thum
Kuhlman クールマン Xenopedia | Fandom
https://avp.fandom.com/wiki/Kuhlman
Dr.Kuhlman はサン・クリストバル病院に勤務するドクターのはずなのですが、ご覧のように病院のワッペンがついた服を着ていません。初見で気になる人はいないでしょうが、後にモーリー医師の死体や他の病院関係者の服装を知った後なら医者を騙る怪しい人物に見えるはず。
「なんらかの不祥事で医師の資格/権限を剥奪された」「発言が信用できない人間」という素性を示唆する服装だった事に気付いたのはクリアした後です。これは脚本家による意図した設定でしょう。鬱病患者に関する語りから、彼は精神科医だった事が窺えます。
進行中、クールマンが向精神薬を乱用(自己治療)していた事(log#035 #055)、他の医師たちの判断で彼だけ薬品庫の出入りを制限された事(log#038) が判明していきます。また改変前のストーリーでは既に寄生されており、体内のエイリアン幼体を取り出す方法を見つけるため、他人を犠牲にする生体実験を行ったりと、製品版にも増して畜生な野郎だったようです。
ちなみにDr.クールマンの3Dモデルとなった人物は本作のテック・ディレクター
Clive Gratton氏です。


なお、クールマンの実験台となった人物はランサムと同じシーグソン幹部(PS4:上級取締役)のバーカー(R.Barker)だったようです。彼はストーリーの改変により大凡がカットされたキャラクターですが、製品版でも精神科病棟にあった当直表やアーカイブログ(log#051等)に名前が残っていました。また印象的なオブジェクトのいくつかにもシステム内部ではバーカーの名前が付いています。例を挙げるとM6でカードキーを取得したガラス張りキャビネット内にある印象的な虎(豹?)の置物の名前が「Barker's Sculpture」で、同じく病院の職員寮にある葉巻の箱は「Barker's Cigar Box」と(参考URL

m11_biochemical_research_thum
上の画像(クリックで拡大)は外傷はヘッドショット1発、出口のない密室状態、ショットガンやキーカードも持ったままなので自殺体だと思われます。名のあるキャラクターだと思い、遺書があるかとログを探しましたが、現在まで特定できていません。Xenopediaではエイリアンによるヘッドバイト(Headbite)の犠牲者に分類されていますが、ゲームの実プレイ中に小さな穴が開くヘッドバイトは出てこないので(フェイスバイトのみ)この額の穴は銃創だと判断します。背後の血の飛散状況や、持ち物を胸元に抱えたままなのも不自然です。

M6病院モルグのCOLD CHAMBER(冷凍室)に行くと、上と同じ銃痕がある遺体が見られます(下画像)。
M6_BioResearch_ColdMorgue_body_thum
この男性は額に加えて体にも3発の銃創があります。(上下とも画像クリックで拡大) 頭部のアップはこちら
M6_BioResearch_ColdMorgue_thum
この階はM6冒頭のマップ Maintenance and Morgue(PS4:管理室・死体安置所)です。病院はエレベーター移動のせいで上下階の関係が分かり難いのですが、モルグの位置はプライマリーケアフロアの下の階でした。エレベーター脇の案内看板によると、クールマンのいた精神科は4階、フォスターのいるプライマリーケアフロアは3階、モルグは地下1階となっていますが、死体安置所から登ったハシゴの長さは1〜2階を抜かせるほど長くなかったように思います。エレベーターで直接プライマリーケアフロアのある3階に降りられなかったのは封鎖のためでしょう。進行上は一本道なので迷いませんが、初見で階層関係を理解できた人は殆どいないと思います。
M6_Morgue_ColdChamber2_Place_
「廃病院の地下にある死体置き場」という、ホラーゲームらしいシチュエーションなのですが、SFチックな構造物や清潔感の為か、ホラゲのお化け屋敷的な怖さが全く感じられません。ただただエイリアンの音と気配に怯えていた記憶だけが残っています。
モルグは隠れる場所がないに等しい狭いマップなので、物音ひとつ立てるだけでエイリアンがドロップして殺されるという一発即死の恐怖があります。これは慣れても上達しても完全に消える事はなく、本能に直接訴えかける怖さだと思います。

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SEVASTOPOL ENGINEERING CREW ★★★★★ (エンジニアリング・クルー)
engineering_crew_patch
原子炉などがあるENGINEERING DECK(PS4:整備区域)で働く技術職員と推測されるワッペン。下はM11のガレリアでアンドロイドに絞殺されたNPCですが、この服装とPatchの組み合わせは少ない印象です。
m11_engineeringcrew

ミッション14、中央原子炉・炉心整備部にあるエイリアン巣(Hive)の壁に取り込まれていた住人もエンジニアリングクルーが目立ちました。しかし巣内部以外の整備区域に整備士の姿は全く無く、血痕等も見られず、固定死体もアンドロイドに殺されたチーフ・ポーターの一体のみでした。この事実は各ログの内容とも整合性があります。

アンドロイドの不審な行動も、ゼノモーフによると思われる誘拐の証言も、時系列的には整備区域の近くから起こっていました。M13-14の道中、それら当事者達のログが数多く残されている事に気がついたでしょうか?(スペディングとチーフ・ポーターのログ等)
整備区域(ENGINEERING DECK)は居住区とは距離の離れた別棟で、作業の多くはアンドロイドが担っていたため、ステーション荒廃以前から生身の人間は少なかったようです。上記の異変や予兆の情報も居住区民と共有される事は殆どありませんでした。保安部は住人の失踪やアンドロイドの異変等について報告を受けていたものの、追いかけている病院の1匹相手に手一杯で、エイリアンが複数いるとは考えてもいなかったのです。

整備区域とシステック・タワー内に跨る広域で仕事をしていたチーフ・ポーター(Chief Porter)やスペディングの報告によると、アンドロイドの異常行動の始まりは11月25日辺りから(log#118)、アンドロイドによる最初の殺人を認識したのが11月27日(log#114)、アポロによるアンドロイドの任務の書き換えが発覚したのが11月28日(log#116)、最初の誘拐失踪が12月1日(log#125)、チーフによるエイリアンの目撃は12月6日(log#126)、12月7日の段階で1人死亡+4人の整備士が行方不明(log#128)になっていて、いずれもアポロコアから整備区域にかけての範囲でした。
チーフはエイリアンの目撃を保安部へ報告する前に殺されたようですが、エイリアンが複数いる事や巣の存在を保安部が早々に認識していればウェイツの対応は変わっていたでしょう。

11月28日にスペディングが残した音声ログ(log#116)では、原因不明の理由でアポロが「システムが緊急封鎖に躍起になっている」と推測していました。この「緊急封鎖」は中央原子炉にある巣を守るため、アポロがアンドロイドに出した任務の書き換えを指していますが、この時はまだ整備区域中央原子炉以外のアンドロイドは通常任務のままでした。

本編ミッション10のKG348ラボ(研究室)パージを察知したアポロは異星生物の保護を優先する
Special Order 939 をステーション全域に発令=アンドロイドに住人の殲滅を命じました。つまり、M10のKG348ラボの切り離しで保護すべきエイリアンに危害を加える者を

ステーションの治安崩壊の経緯を理解する上で注意しておきたいのは、本編中盤まではエイリアンによる直接被害より警備隊の職務放棄や住民同士の抗争、保安部による封鎖作戦(冒頭の爆発含む)の影響の方が大きかったという事です。意図的に電源を落としたり封鎖したり移動を制限していたのも保安部でした(アマンダが次々復旧させますが…)。アマンダが到着する12月11日以前の一般住民のログでバケモノに言及したものは極僅かなので、住民の大多数はエイリアンを認識すらしていなかった事がわかります。死体袋の多くは住人同士によるものと思われます。エイリアン&アンドロイドによるステーション全域での本格的な殺戮と誘拐が始まるのは11日当日でした。

元々廃港が決まっていてあちこち機能不全だった上、整備を担うエンジニア達が早期に次々失踪した事でシステムが不安定になり、加えてアポロによって任務を書き換えられたアンドロイドたちも保守作業を放棄した事で連鎖的に状況が悪化した状況の中にアマンダ達が到着したようです。
それらの事実がストーリー進行中、端末でログを読む毎に徐々に明らかになっていく…というシナリオなのですが、切羽詰まる作品なので本編を普通にプレイしているだけでは全く頭に入って来ないと思います。
そもそも進行中の端末画面で読むメール(アーカイブログ)には日付が表示されておらず、Tabキー(マップ画面)から開くアーカイブログで初めて年月日が判明するシステムなのも不親切でしょう。またアーカイブログの表示順序が取得順でも日付で順でもなく、日付でソートさえできなので、時系列の理解が非常に難しくなっています。これらは明らかにゲームインターフェース製作時の配慮不足だと思います。


遭遇率は低めですが、エンジニアリングクルーには女性もいます。下はランダム出現な略奪者の一人で固定ではありません。ワッペンと出没区域は相関があるようで、彼女もENGINEERING DECKS(PS4:整備区域)で遭遇しました。
興味深い事に女性のクルーはブラウスの胸元に整備区域内での所属を表すワッペンが付いています。「GRAV ENGINE TEAM」とあり、重力エンジンの整備を担当する班だとわかります。(画像クリックで拡大)

m2_female_engineeringcrew_thum
重力エンジンは日本語から連想する宇宙船の推進装置としてのエンジンではなく、人工重力を発生させるプレート状の装置全般の事だと思われます。ALIENは人工的に宇宙船内の重力をON/OFF操作できるSF世界観のお話で、もちろん架空の科学技術です。

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PROJECT KG348 "AB UNO DISCE OMNES"
prejectkg348_patch prejectkg348_patch2
下はミッション2でフライトレコーダーを見つけた部屋の左手前にいる印象的な射殺体。(画像クリックで拡大)
m3_kg348_body_thum
PROJECT KG348は、ステーションの窓から見える惑星KG-348の資源開発を研究するGEMINIの施設です。ワッペン下部にある「Ab uno disce omnes」はラテン語で「一から全てを学べ」という意味らしい。ことわざ「一を聞いて十を知る」と同義ですね。

名前が特定できるKG348職員の代表は、アンドロイド・ショールームの先の部屋で横たわるラッセルでしょう。
彼の名前はスマイスやスペディングとのメールのログで頻繁に目にします。(下の画像はクリックで拡大)
M12_Russel_SeegsonSynthetics_thum
Russel ラッセル Xenopedia ゼノペディア
https://avp.fandom.com/wiki/Russel

ラッセル Russel の名前と、この場所にいた理由は奥にある端末のメール(log#113)で判明します。SHARED(共有)フォルダにあるそのメールは不特定多数に対するもので、友人のスマイスと共にこの場所に武器や物資を集めて籠城しているという内容でした。スザンヌの行方も探していたようです。
同じ端末内のスマイスとのやりとりから、両者の死亡日はアマンダが到着した12月11日同日と
M12_Russel_terminal_thum
ラッセルの死因はアンドロイドによる殴殺でしょう。ショトガンは役に立たなかったようです。(下はクリックで拡大)
M12_Russel_SeegsonSynthetics_Place_thum
log#058 スマイスと営業トークの
M12_SeegsonSynthetics_SalesAgreements_thum

下のKG348職員は、本編では数体しか存在しない「死因不明」遺体のひとつ。(画像クリックで拡大)
M6_KG348_UnknownDeath_thum
場所はM6で訪れるサンクリストバル病院 プライマリーケア フロア のERです。
ここはER = Emergency Room = 救急救命室なので、当然ベッドに寝ている患者も重篤な状態で運び込まれた急患でしょう。病院封鎖時に放置されている事から、11月16日の時点で既に死亡していたか、移送が難しい容体だったと推測できます(後述)。外傷が見られないため、死因は不明ですが病死と思われます。

M6_KG348_UnknownDeath_ER_place_thum
病院のERはM15でアネシドラ号に渡るために使った救急シャトル乗り場の間近にあります(上画像はクリックで拡大)。壁を隔てた隣はフォスターのいる手術室で、その隣が集中治療室でした。手前ドア側の通路はMRI等の検査室に続いています。実プレイで気にする人は少ないでしょうが、この部屋配置や距離感は救急指定された現実の大病院の構造をちゃんと意識した造りです。そのERに急病で死んだ遺体を配置したのも意図的なものでしょう。
ウェイツが病院封鎖前後の11月16日にモーリーへ送ったメール(log#045)は「病院から動かせない患者は見殺しも止むをえず」とも取れる内容でした。この遺体も重篤状態のまま放置された患者の可能性が高そうです。
ちなみに案内看板によるとプライマリーケアフロアの下階が死体安置所や解剖室で、上階がリハビリ室・精神科。最上階がプライベートな個室病棟となっています。本編で未使用の階層はDLCのマップで利用されているようです。ロストコンタクトで左マップの病院が LORENZ PRIVATE WARDS(ロレンツ民間共用区)でした。

下はジェミニ・エグゾプラネット・ソリューションズが運営する研究所 PROJECT KG348で見つけた職員の死体。
m10_kg348upper_vent
この KG348 研究員の死体はワザと見つけにくい床下ベント奥に配置されていました。M6のフォスターを見た後なら、チェストバースターが発生した死体=他にも卵(巣)があるのでは?と気づくはずです。しかしこの死体は改変前のストーリーに方に絡むものだと推測しています。
本編とは微妙に話が繋がらない謎のログ(log#092)で11月16日にランサムがジェミニ職員へ調査を依頼した「サンプル数点」とは、
改変前のストーリー(※)でアネシドラ号を調査させた際に発見した卵かフェイスハガーだと考えられます。本来ならこの死体はその犠牲者だったはずです。そうでなければPROJECT KG348(ジェミニ)職員の死体である必要がありません。この場所で死ぬ理由もありません。ランサムが入手したサンプルがフォスターに付いていたハガーの死骸なら寄生されませんからね。改変前のオリジナルストーリーではアネシドラ号はセヴァストポリに繋がったままでした。船内でフェイスハガーが出てくるのは、その改変前のシナリオの名残だと思われます。アネシドラ号船内のハガーは誰しも疑問に思う矛盾点です。
また、製品版で訪れるアネシドラ号のマップは、改変前のシナリオではセヴァストポリから脱出した後に航行不能になった
ソレース号(Solace)を再利用したものなので、そこで登場するはずだったハガーかもしれません。

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SEVASTOPOL (セヴァストポリ/セヴァストポル)
plain_sevastopol_patch plain_sevastopo_seegsonl_patch
セヴァストポリ・ステーションの図案がシルエットになった緑色の丸ワッペン。

代表する固定死体はロレンツの駅の階段袋小路で射殺された男性でしょう(画像クリックで引きの画像を表示)。
lorenz_plain_sevastopol_thum
表記は「SEVASTOPOL」のみで所属も職種も不明ですが、物語に絡む名のある人物でこのパッチをつけているキャラはいません(記憶にないだけかも)。この事から滞在許可がある「ただの市民」か学生、もしくはステーション内の各施設に派遣される短期雇用の作業員など、パートタイマーを表すpatchだと予想しています。胸元にSEEGSONの名前が入っている場合も多いです。
ちなみに上の男性はメディキットを持っています。宇宙旅行ターミナル到着後にメディキット設計図を取得できなかったプレイヤーに対する救済処置でしょう(M2では冒頭の備品庫とベンチとアクセルを助ける際に往復するU字通路の3回取得チャンスがある)。ここでもメディキットを取り忘れた場合、進行がかなり厳しくなる筈です。このゲームは完成済みのアイテムを取得すると、以後は設計図がなくても自分でクラフト出来るようになります。

生存者の代表はProject KG348の上層デッキの除染室で体育座りをしていた帽子のお兄さんでしょう(クリックで拡大)
M10_KG348_Melancholy_Guy_thum
友人が次々と死んでいく不安と恐怖からPTSDになったようで、自分に言い聞かせるように独り言を繰り返しています。このお兄さんの生存能力(運の良さ?)は大したもので、エイリアンや暴走アンドロイドがうろつくミッション終盤のM17に再訪した際もまだ生きていました。
M10_KG348_Melancholy_Guy_Place_thum
(上画像はクリックで拡大)このお兄さんは何かの拍子に立って自由に歩き始める事があります。本作はNPCが前に立った時にだけ開く自動ドアが複数存在するので、イースターエッグ的な仕掛けがあるのでは?と期待して検証プレイを続けています。
このお兄さんのいる部屋にはバグ(というかマップ製作ミス)があり、廊下の窓から部屋の方向を眺めるとお兄さんが宇宙空間に浮かんで見えます。このバグに関しては以下の記事で色々と実験検証をしています。
https://alienisolation.web.fc2.com/files/m10_KG348_AlienEVA_Glitch.html

M17スタート時点で生存が確認可能な民間人(半固定生存者といえる)は、ジェミニのベンチに座るたそがれお姉さん、プロジェクトKG348の帽子のお兄さん、M17スタート地点の武装警備員だけのようです。その3人はステーションが惑星に落下する瞬間まで生きていたと思われます。なお、M17で引き返して色々回ってみましたが、ランダム出現の略奪者は全く出現しませんでした。

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ANESIDORA IX VII (アネシドラ号クルー・Catherine Fosterのワッペン)
anesidora_patch
アネシドラ号のワッペンです。米国籍(US) カーゴ・スターシップの略であるUSCSSの文字がデザインに含まれていませんが、船名はUSCSS Anesidora。本作本編でつけているのはフォスターのみ。もしこのワッペンの付いた死体があれば、他の船員 ハイスト/ミークス/ルイス(Heyst/Meeks/Lewis)の内の誰かです。小説版では死亡が描かれますが、ゲーム内での生死は3人とも不明です。自分は彼らの死体がどこかにあるのでは?NPCとして出現するイースターエッグがあるのでは?と意識して再プレイしています。
密入港者らしく目立たないよう潜伏しているらしいので、違うワッペンの付いた服に着替えている可能性もあるでしょう。


下はM6で救急キット(Trauma kit)を取得する際に見られるキャサリン・フォスター Catherine Foster の遺体。
アネシドラ号船長 ヘンリー・マーロウの妻で、このパッチをつけた唯一のキャラクターです。(画像はクリックで拡大)
M6_Foster_chestbursting_thum
エイリアン騒動の震源地とも言える重要な死体なので、色々な角度から詳しく見ていきましょう。
胸元のこの損傷がチェストバスター(チェストバースター Chestburster)が生まれた跡です。画像は色温度を補正しています。
M6_foster_faceup_thum m6_foster_bed_wide01_thum
リンガードの解剖記録(log#049)によると、彼女は2098年1月20日生まれの39歳だったようですが、生存時の3Dモデルは実年齢より若く見えます。ハイパースリープ中は老化も止まるらしいので、宇宙生活が長ければ肉体年齢と数年の差があってもおかしくはないでしょう。
m6_foster_bed_wide03_thum m6_foster_bed_wide02_thum
現代視点では解剖した遺体に見えませんが、SF映画ですので開腹せずに調べられる機械を使ったと納得しましょう。
気づきにくいですが、手術台の上の照明にも血が吹き上がっています。(下は画像クリックで拡大)

m6_foster_bed_lookup_thum
下の画像はフォスターから飛び出たチェストバースターが床を這って天井ダクトへ逃げた血痕です。
m6_foster_floor
下は天井の穴へ続く血痕の引き画像(クリックで拡大)。天井ダクトの真下で血が途絶えているのが分かるでしょうか。
M6_Foster_Operating_Theater_thum
M6病院のキーカードで開ける扉の直ぐ先にも車椅子に座ったチェストバスターの犠牲者がいますが、床に同じ血痕があります。
下はM9 カットシーンのフォスターが寄生される場面です。
M9_Foster_Cutscine01_thum M9_Foster_Cutscine02_thum

下はアネシドラ号船長でキャサリンの夫、ヘンリー・マーロウ(Henry Marlow)。色は補正してあります。
m8-m10_Henry_Marlow_thum
アネシドラのワッペンは見当たりませんが、全身専用のコスチュームで両腕にイラストのタトゥーが入っています。
マーロウの3Dモデル/声優は英国人の俳優
ショーン・ギルダー(Sean Gilder)Xenopedia

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SEVASTOPOL HANGAR CREW ★ (ハンガークルー)
hangar_crew_pach hangar_crew_pach2
おそらくセヴァストポリが直接雇用しているハンガークルーのワッペンです。SEVASTOPOL Station はシーグソンのアンドロイド製造工場且つ宇宙開拓と貿易の前哨基地として運用されていた恒久的な自由港(Permanent freeport facility サミュエルズ談)でした。最盛期には多くの宇宙貨物船(カーゴ・スターシップ)が交易や整備のため寄港していたようです。
現実世界で Hangar Crew というと航空機の整備士を指す事が多いようですが、貿易港であるステーションの場合は格納庫で重機を扱う積み下ろし作業員も含まれるでしょう。
一般に自由港(
Free Port)の倉庫・コンテナは、税関や積荷のチェックが無い or 緩いため、脱税/密輸や盗品取引・ブラックマーケットなどの組織犯罪に利用される事が多々あります(なお、日本に自由港はありません)。本作品でもエイリアン騒動前からアネシドラ号やシンクレア達が関係する、かなりの人数が違法取引に関わっていたようです(log#082 #091等)。検疫をスルーしてフォスターを乗せた際も彼らの闇ルートを通してでした(#log104)。

このワッペンを代表するキャラクターはスマイスだと思います。下の画像はミッション12冒頭、サミュエルズの行方を追ってシーグソンシンセティックスの体液工場に再び訪れた時に遭遇した死体です。原作映画ALIENを象徴する死に方なので詳しく見ていきましょう。(下画像はクリックで拡大)
M12_Smythe_01_thum
各ログから推察すると、スマイス(Smythe)は元々ワーキングジョーの開発をしていた人物だったようです。ハンガークルーのワッペンを
M12は科学医療タワー下車から始まりますが、病院側の右手 冒頭に乗る病院エレベーターの扉が開くとすぐ目に入ります。
ミッション7のエレベーター修理後にこの場所を通過した際はいませんでしたから、彼は新鮮な死体だとわかります。
目の前の端末のログから、彼の名前とアンドロイドから逃げられなかった理由も判明します(log #105 #112)。彼は友人のラッセルと一緒にアンドロイドショールームの外の部屋に武器を溜め込んで籠城していたようです。

M12_Smythe_place_02_thum
物資を集めるためでしょうか、2人が籠城部屋


下画像左の扉がラッセルによりロックされた(log#105)ことでジョーから逃げられず殺されたようです(クリックで拡大)
M12_Smythe_place_03_thum

スマイスは映画ALIENファン特徴的な
ALIEN(1979)ディレクターズカット版の映像特典オーディオコメンタリで言及されています。


アンドロイドから逃げてエレベーターシャフトに行く際にラッセルが扉をロックしてしまったため、スマイスはパネル切断+パスコード入力が必要


下は病院のモルグ(死体安置所)、COLD CHAMBER 2 (死体冷凍室2)に安置されているハンガークルーの固定死体。
m6_hangar_crew
M6の死体安置所は改変前のオリジナルストーリーでは重要なステージだったらしく、配電盤でダクトを解放すると同時にIDカードが入っている引き出しが飛び出す等の仕掛けが残っていました。元は特別なキーアイテムが入っていたのでしょう。シナリオ変更で重要な意味を失った特殊ギミックには、他に開けることができる工具箱があります。
M6_Morgue_ColdChamber2_entrance_thum
病院の封鎖が決定したのは11月16日頃(log#043 log#047)なので、安置所にある遺体の多くはエイリアン騒動が本格化する前、もしくはアネシドラ号入港前に死亡した住人だど推測できます。「死体安置所に移送できる余裕があった頃」に死亡した住人たちとも言えます。エイリアンに殺害された/寄生された外傷のある死体が見当たらない事も矛盾はありません。
中央の部屋のリンク端末にはリンガードから監察医と思しきフランクへ宛てた2通のメールが残っていました。11月14日のメールはフォスターの遺体の調査要請を伝える内容(log#042)で、次の11月16日のメールは病院が封鎖されるためモルグから出るように促す内容でした(log#043)。
上の画像で右に寝ている銃殺体は、バイオケミカルリサーチの項目で扱っています。

m8_m10_hanger_crew_woman
上の画像はミッション8の終盤、保安部の入り口に立つハンガークルーの女性。連絡シャトル(Transit)を復旧させたアマンダに対して「やるじゃない(Nice work)」と声を掛けてきた人です。同じワッペンのついた帽子を被り、SEEGSONのロゴ入りのシャツ(ブラウス)を着ています。布の傷みの位置から判断すると、シャツはM12ショールームのスザンヌと同じモデルのようで、ボタン穴が右にあることから婦人用のコスチュームとわかります。上の女性はM11の保安部帰還時に死体が見つからなかったので、暴走アンドロイド達から逃げ切れたようです。

M10でKG348ラボへ降りる梯子の手前にある顔面を抉られた死体も Hangar Crew でした。

下左は顔面のアップですが、少々グロテスクなので修正しています。画像クリックで無修正が開きます。
M10_HangarCrew_HeadBite_Face_thum

下左右の画像はPC/Mac版(左)とYoutubeに投稿されているPS4日本語版(右)の比較です。

コンソール版は解像度1920x1080の1080pが解像度上限で、一部720pで表示されています。次世代機でプレイしてもそれは変わりないようです。自分はMacBook Pro 15インチのRetina液晶で


発売前のデモ版ではウェイランド-ユタニのパッチを付けています(画像)。

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コロニアル・マーシャル/保安部

MARSHAL’S OFFICE SEVASTOPOL(マーシャルズ オフィス)
weits_patchMarshals_Calender01_thum
左上はMarshal Waitsの上着の肩についているプリントで、右上はカレンダーのイラストです。

本作品のコスチュームは、原作ALIEN/ALIENSの登場人物達の服装をベースにした物が多いのですが、ウェイツ保安官だけは現代の U.S.POLICE 仕様に近いリアルなポリスジャケットを着ています。また、唯一ネクタイを締めているキャラクターです。レトロフューチャーSFの本作では「浮いた」格好とも言えるでしょう。
waits_bustup
Waits 3Dモデルと声優は、ALIENS(エイリアン2)でゴーマン中尉を演じたウイリアム・ホープ(IMDb)です。
William Hope (actor) - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/w/index.php?title=William_Hope_(actor)

M8_Weits_belly_thum M11_Waits_dead_Side_thum
彼はベルトのバックル含めて全身が専用のコスチュームです。右上はアンドロイドに殴殺されたM11のウェイツ。
M8_Weits_back_thum M10_Weits_print_thum
ウェイツの個人装備は.357リボルバーだったようですが、腰回りにホルスターは見えません。
M8_Waits_Cutscene_revolver_thum M10_Waits_bottom_back_thum
下の画像は序盤のターミナル。彼は住民から余程ヘイトを集めていたらしく、名指しの落書きを度々見かけます。
m2_waits_lied_to_us_thum

下はM10 システック・タワー封鎖作戦時のリカルドの服装(画像クリックで拡大)
ricardo_wear02_thum
リカルドは他では見ないブーツを履いていて、チェックのシャツ、右大腿ポケットの革手袋やバッジなど、ウェイツ同様コスチュームも特別扱いになっています。ジャケットは色も造りも原作映画でブレットが着ているものに非常に似ています。
brett_jacket_DLC_real_thum
3O6lxab

保安官のbadgeも階級(役職?)で色が異なります。左がリカルド、右がウェイツ。
marshal_badge

下はソロモン居住タワーにある保安本部の看板(クリックで拡大)
Marshals_FrontGate_panel_thum
下はKG348ラボのパージ後のM11で帰還した際の保安部のようす。奥の扉の脇にあるのがウェイツの死体です。
M11_Marshals_reception_thum
推測ですが円の中に漢字の「王」を重ねたようなマークはステーション内の Official な役職を象徴する図案だと思います。詳しくはEXECUTIVE OFFICERの項目をご覧ください。
M11_Marshal_floor_relief_thum

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SEEGSON SECURITY シーグソン・セキュリティー ★ ★ ★
Seegson_Security_patch
シーグソン・セキュリティーはSEEGSONが運営する民間の治安組織/民間警備会社です。公的な警察権を持つ法執行機関であるコロニアル・マーシャル(保安部)より指揮権的には下になりますが、ステーション自体がシーグソンの所有物ですし、装備も頭数もシーグソン・セキュリティーの方が明らかに上です。中央政府からの派遣駐在員である保安部保安官は元々ステーション内ではアウェイな立場でした。
Seegson Security | Xenopedia | Fandom
https://avp.fandom.com/wiki/Seegson_Security
エイリアン騒動で治安が崩壊した後、シーグソン・セキュリティー警備員達はシンクレア(Sinclair)の指揮のもと、保安部と袂を分かち、独自の判断で行動を始めます(12月2日 log#066,断交等)。治安維持の職務を放棄し、市民相手に武力で略奪を始めた警備員たちを保安部はどうする事もできない(12月10日 log#081)…という状況の中、トレンス号のアマンダ達が到着しました(12月11日)。

下はセーグソン・セキュリティー警備室にいる非武装メンバーの死体。(下の画像はクリックで拡大)
M10_SeegsonSecurity_ unarmed_thum
シャツの肩に付いているショルダーストラップが肩章のような色違いになっていて、警察や軍属にも見える制服デザインです。ボディアーマーを着た武装警備員もアーマーの下はこの制服のようです。この場所はミッション10冒頭、ロレンツ封鎖作戦時に訪れる事ができます。外へ続く血濡れの足跡から推測して、この警備員の死因はアンドロイドによる絞殺/殴殺でしょう。
M10_SeegsonSecurity_entrance_thum
上の画像はシーグソン・セキュリティー警備室の入り口。下がその内部。いずれもクリックで拡大。
M10_Seegson_Security_room_thum
上の画像(クリックで拡大)の端末の操作で開ける事ができる留置所個室(CELL1)内には、外傷のない珍しい死体もあります(下画像左)。警備員がアンドロイドに殺された事で、留置所に閉じ込められたのでしょう。横にIDタグが落ちており、名前がR.TAFLERだとわかります。病院には病死と思われる外傷のない死体が複数ありますが、密室での餓死/脱水による死亡は多分その一人だけ…
M10_SeegsonSecurity_CELL1_thumM10_SeegsonSecurity_footprints_thum
改変前のストーリーでは餓死しないように留置所を解放するというウェイツのセリフがありました。また、アクセルは本来この辺りで登場する予定だったようです。アーカイブログにはマイク・タナカも泥酔して独房1に収容された記録も残っています(log#071、日本語版ではCELLが「独房」表記)。

アーマー未着用のシーグソンセキュリティー警備員は、ランダム出現の敵としては恐らく登場しません(プレイ約2年で0人)。固定出現の敵として遭遇するシチュエーションはミッション16の中盤、アンテナ操作をする前に通過するシーグソン通信室2階の管制室(OBSERVATION DECK の COMMS CONTROL)にいる2人だけだと思います。下はそのひとり(画像クリックで拡大)
M16_SeegsonSecurity_NoArmor_A1_thum
警備室の固定死体を見た際には気づきませんでしたが、スラックスの横の白線は警備員らしく反射素材だったんですね。襟も黒い縁取りが付いています。また警備室の死体と違い、M16の警備員は2人ともシャツインしています。

ミッション16はトレンス号からの通信(broadcast 配信=片道の通信)を聞いた警備員たちがシーグソン通信室を占拠して返信を試みている…という状態からスタートします。M16の冒頭でリカルドが「シーグソン・セキュリティー警備隊はトレンス号を乗っ取るつもりだ」と説明をしていました。もちろんアポロが外部通信を遮断しているため返信は出来ません。
M16_SeegsonCommsControl_place_thum
再プレイで気づきましたが、シーグソンセキュリティーの警備員はランダムに喋るセリフも一般の略奪者と違うようです。声は3人で、10種以上のバリエーションがありました。内容から判断すると最後までシンクレアを慕っていて、組織的に行動していたようです。
非武装のシーグソン警備員は複数のDLCにも登場します。Safe Haven(セーフゾーン)第8ステージのバッカス側には、溶接面を被ってカードキーを手にした謎のシーグソンセキュリティー警備員の死体がありました。本編からカットされたストーリーでは重要な死体だったのでしょう。

下は同じ
M16の冒頭のフロアにいるボディアーマーを装備した警備員の立ち姿。(画像クリックで拡大)
M16_SeegsonSecurity_stand01_thum

M16_SeegsonSecurity_ArmorBack02_thum

M16_SeegsonSecrity_ArmorSide_thum

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ワーキング・ジョー Working Joe アンドロイド関連
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アンドロイドの記章は、右胸にプリントされたSEEGSONロゴのみ。固定死体にはロゴがない個体もあるようです。
ワーキングジョーの標準服は、前がジッパーになった人民服的な4ポケットで、色も含めて昔の(西側から見たステレオタイプな)共産主義国の配給品をイメージさせるデザインとなっています。ジョーの独り言や監視社会的な標語ポスターも合わせてこれは意図したものでしょう。
Working Joe ワーキングジョー | Xenopedia ゼノペディア
https://avp.fandom.com/wiki/Working_Joe

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上はシーグソン通信室(SEEGSON COMMS)にあるアンドロイドの固定残骸。M16でシーグソンセキュリティーの武装警備員達が通信室を占拠する際、撃たれたものと思われます(が、無人のM12の段階で既に配置されている)。下に同じフロアにある首なし残骸ですが、頭部は見つからず(画像クリックで別角度を表示)。
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上のアンドロイドは右胸にSEEGSONのロゴが入っていません。微妙なバリエーションがあるようです。

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番外編・特定困難 or 私服民間人 

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上の画像はミッション4のラスト、LORENZ SYSTECH SPIREのシャトル乗り場に到着したシャトルから降りてきた民間人の双子?です(画像クリックで拡大)。これは「シャトルから民間人が降りてくる」というプチイベントなのですが、偶然にも同じ服装・同じ顔のモデルで、色とワッペンだけが違います。歩き方や逃げる仕草もシンクロしていたので、遭遇した時は声を出して笑ってしまいました。
Twins_NPC_Gemini_thum
上も同じ顔のNPCが並んだシチュエーションです。

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上と下の画像は共にミッション11の冒頭でハロルドを起動する際、シャッター越しに発砲してくる(後アンドロイドに襲われる)武装略奪者です。ロゴのあるボディアーマーの下に他の職属・部署のシャツを着ています。上はサン・クリストバル病院、下はの科学&医療センターのワッペンです。シャツのワッペンはプレイ毎にランダム。周りにいる民間人は殺すとゲームオーバーなので、彼一人だけが略奪者という設定のようです。略奪者と民間人を同時に出現させるのはゲーム性を上げるためでしょう。開発者視点だと、ジョーをけしかけたり、非殺傷アイテムのスモークや閃光弾を使って欲しいシチュエーションです。
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これらはシーグソン・セキュリティーの人間なのか、一般の略奪者がロゴ入りアーマーを着ているだけなのか判断が分かれるところです。ステーション内の日常生活が崩壊して二週間以上経過しているため、洗濯の代わりに略奪した服に着替えるのは至って普通の行動でしょう。脱ぎ捨てられた服や大量の洗濯物が入った台車は頻繁に目にします。これらの状況から、ランダム出現の略奪者たちの場合、服装とワッペンの情報だけで正しく職業を判断するのは困難だとわかります。
略奪に際して相手を油断させるため、変装している輩もいるでしょう。M17終盤で遭遇するシンクレアと言われている死体もシーグソンセキュリティーの制服ではありませんでした。
なお上記の武装略奪者以外でワッペン同士が食い違う(帽子と肩で違う等の)NPCに会った記憶はありません。


下は非常に珍しいサングラスを掛けた略奪者2人です。本編M3プレイ中に遭遇。
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彼らはイースターエッグだと信じたいのですが、偶発的なバグの可能性もあります。バグであってもNPCのコスチュームのオプションとしてシステム内部に存在するアイテムには違いありません。サングラス自体はM5病院でオブジェとして置かれた頭蓋骨に掛けられているものと同一のようです。サングラスの略奪者について詳しくは単体記事をご覧ください

下の画像はM17スタート地点のマップにいるボディアーマーをつけた略奪者ですが、不思議なことに武器を所持していません。敵対しない非武装の民間人は近づいたり銃を向けると逃げますが、彼はぼんやりとした顔でこちらを眺めるだけ動きませんでした。バグだとしても珍しいので載せておきます。
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こちらに気づかれないように発煙筒を投げると誘引されるので、武器を持っていないだけで行動ルーチンは略奪者そのものでした。通常の武装警備員の場合、非戦闘時はショットガンを背中に掛けていて、周囲の異変に気付くと銃を手に取って行動を始めます。通常の略奪者は接近戦時に殴ってきますが、彼をレンチで攻撃しても反撃はありませんでした。(下の画像はクリックで拡大)
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下は発売前に行われたデモ版のプレイ映像です。この場所にある死体は製品版だと顔面を抉られたハンガークルーですが、先行のプレイアブルデモ版では胴体に傷のあるウェイランド-ユタニ社員となっています。

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引用元の動画:How Scary is Alien Isolation? @IGN https://www.youtube.com/watch?v=7EWe69vP1pA3

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USCSS NOSTROMO 180286 (アメリカ船籍カーゴスターシップ・ノストロモ号 船員)
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USCSSは「United States Cargo Star Ship」の略号で、1809246は宇宙船の登録番号。ノストロモ(ノストローモ)の名前はエイリアンファンならご存知、コンラッドJoseph Conrad)の小説から。カーカイブログ内にも「進歩の前哨基地」など彼の作品からの引用が見られます(log#021 037等 PS4訳は「進歩の最前線」)。セヴァストポリ・ステーションの成り立ちが正に An Outpost of Progress でした。
作中では宇宙開拓の前哨基地が軌道上の宇宙ステーションから、惑星自体を人の住める環境に変えるテラフォーミングに移り、その技術で先行するウェイランド-ユタニが宇宙開拓事業の覇権を取りつつあるという背景があるようです。

Nostromo_ash_01_thum
上の画像(クリックで拡大)は オリジンミッションのシナリオ Crew Expendable(PS4:搭乗員は放棄してよし)に登場する アッシュ Ash のコスチューム。イアン・ホルムが演じた映画ALIEN(1979)の服装と比較したところ、ベルトのバックルや襟のバッジなども精巧に再現されていましたが、一部変更が加えられている部分もありました。映画では左肩にパッチは無く、その部位にはポケットが付いて、左胸のWY社章もデザインが異なっています。

映画のアッシュの襟に付いているバッジのマーク(下の画像)は、本編でも
SciMed Senterのワッペンなどに利用されていました。彼は科学主任(Science officer)だったので、このマークが科学と医療の象徴として選ばれたのでしょう。映画ではベルトのバックルにも同じバッジが付いているようです。
Alien1979_Ash_badge_thum Alien1979_Ash_Face_Enlarge_thum
ゲーム内のコスチュームは全体的に生地の皺が少なくスマートです。映画の登場人物達の服装は(少々過剰に)着古したような加工が施されていてシワだらけなので、3Dキャラクターとして動かすには都合が悪かったのでしょう。映画のアッシュは他のクルーと比較して小柄でしたが、ゲーム内ではダラスとほぼ同じ目線になっています。
SF映画の宇宙船の乗組員といえば、軍人や科学者などのエリートが当然だった当時、くたびれた服を着ている少数の労働者が大型宇宙貨物船を操縦する設定はリアルで斬新だったようです。

ノストロモ号搭乗員のコスチュームは、セヴァストポリ宇宙港住人らの服装のベースにもなっています。映画で
ハリー・ディーン・スタントンが演じたブレットのジャケットとカーゴパンツはリカルドとほぼ同じデザインですね。
https://avp.fandom.com/wiki/Samuel_Brett / https://alienanthology.fandom.com/wiki/Brett
Origin_Mission_Brett_Body_Side_thum
原作映画のブレットは胸には、スリーワールドエンパイアに似たワッペンと、SEVASTOPOL ENGINEERSのロゴに似た翼付きのワッペンが付いています。前者はオリジンミッションでも再現されていました。三角ワッペンはRon Cobb氏のコンセプトデザインにある「Unided States Tricentennial patch」を逆さまにしたもののようです。Tricentennial トライセンテニアルなので、アメリカ合衆国の建国300年記念を意味するパッチでしょう。作中では2076年になりますね。
Origin_Mission_Brett_Body_front_thum Origin_Mission_Brett_Body_Wide_thum

映画のダラスとブレットが着ているジャケットの背中には NOSTROMO のロゴがあります。
丸みのあるフォントは Pump でしょうか。本作のオリジンミッションでは両者共省略されていました。
Dallas_Back_nostromo_clip
brett_jacket_thum
当時はポップで先進的だったようですが、現代視点では真逆のレトロっぽさを感じてしまうフォントです。時代を越えた普遍的なデザインの難しさがわかります。Pump Bold はセヴァストポリ内にある複数の案内看板にも見られます。下の Sevastopol のロゴは冒頭通過するターミナルのエントランスと案内カウンター背後の壁に掛かっている文字です。
Pump_font_Sevastopol_entrance_thum
Pump_font_Sevastopol_place_thum
明らかに原作を意識したチョイスですね。共通点に気づいた人はかなりのマニアでしょう。(いずれも画像クリックで拡大)
Pump_Sevastopol_font_thum

映画ALIENで使用されたコスチュームの製作は映画演劇用衣装を得意とする英国の会社 Bermans and Nathans が担当したそうです。同時期にスターウォーズの衣装も製作した会社ですね。そのデザインを手がけたジョン・モロ氏は1977年のアカデミー賞(衣装デザイン賞)を受賞しています。同社は90年代、Angels Costumesに買収されました。
https://www.angels.co.uk/credits/


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USCSS COVENANT WAYLAND-YUTANI BUILDING BETTER WORLDS(コヴェナント号)
covenant_film_patch
これはゲームではなく、実写映画エイリアン: コヴェナントで使われたワッペンです。
コヴェナント号の場合、USCSSは「United States colonization starship」の略かもしれません。

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構内施設や企業ロゴ・ワッペンに関連したシンボルやアイコン

下はM10中盤で訪れるジェミニ・エグゾプラネット・ソリューション(ズ)のロゴと施設案内の看板です。
M10_GEIMINI_thum M10_GEIMINI_guide_thum
ジェミニには色々な研究施設が入っていたようです。このマークは黄道十二宮の双子座(双児宮)= GEMINIのシンボルですね♊️。日本ではジェミニと読む事が多いようですが、英語での発音は「ジェミナァイ」が近いです。システック・タワーでシャトルを降りた時の港内アナウンスを注意して聞いてみましょう。なお、GEMINI EXOPLANET SOLUTIONS の略記は G.E.S のようです(log#090等)。

seegson_synthetics_guideboard
上はシーグソンシン・セティックスの案内板ですが、このマークはシステム内部では Engineer symbol と呼ばれているようです。エンジニアーズ、テクニカルオペレーションズ、サイエンスオフィサーのシンボルは、各職種の Crew Handbook 表紙にも見られます。(画像クリックで拡大)
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